拾ってきたUSBメモリ?telnet?っていうのは縄文時代の話。

まず、最初に言っておくが、現在はどこの会社や組織でも、道端に落ちていた、などという、得たいの知れないUSBメモリなどを自分の私物や会社のPCなどに差し込んで使う、ということはまずない。現在の役所では、インターネットの閲覧はできるけれども、メールは専用のメールシステムを使って、外部から来るメールに書かれているリンクなどで問題がありそうなものは、予めチェックしてから実際のPCを目の前にしているユーザーのところにそのメールが届く、などの予防措置をとっているところがほとんどだ。ある役所のPCに至っては、問題が起きないようにUSBの口さえない、という「特別仕様機種」を使っているところも多い。

さらに、Web閲覧中のリンクのクリックも、そのままリンク先のページが表示されることはなく、一度セキュリティシステムが入っているproxyサーバーを通って、そのURLが改変されており、問題のあるURLであれば、そもそも直接にはクリックできないようにしてある、というところもある。日本のみならず、そういうセキュリティの施策は、まともな組織であれば、現在は当たり前に普及している。

加えて、規則で、私物のPCなどのデータを会社に持ってくることなどは厳禁、その逆も厳禁、USBメモリなどの会社への持ち込みも厳禁、という職場は増えた。その代わり、会社などの組織のシステムそのものをクラウド上に置き、自宅からも、会社からもそのクラウドのシステム上で仕事ができるようになっている、という仕組みが増えた。この方法であれば、どこかでウィルスなどに感染しそうになっても、その影響を阻止することができ、最悪でも、ウィルスやスパイウエアの影響の及ぶ範囲は、その人が使っている自宅のPCと会社で自分が使っているPCのみになる、ということも多い。

要するに、現在あれこれとセキュリティの問題の具体例、と言うものを書いている書籍も多いが、どれもこれも、ひと時代前のものが非常に多い。これでは意味がない。特に「IoT家電の感染」などの話はよく聞かれるが、いまどきtelnetdを立ち上げているIoT用のコンピュータそのものが皆無に等しいうえ、開発する現場でもこのあたりのことは最初に注意を促される。IoTというよりも、電子工作のおもちゃのCPUボードであるRaspberry-Piのシリーズでは、その最初のチュートリアルに、必ず「最初にデフォルトユーザーpiのパスワードは必ず変更すること」と書いてある。しかもtelnetはつながらず、sshが使われている。それに従わない、ということは、セキュリティのリスクをより多く抱えることになる、ということはRaspberry-Piのユーザーでは当たり前のことになっているからだ。

「ハッキングの手口を知るためにハニーポットを作ってみました」

という話もよく聞くが、専門家であれば、「それって意味ない」ってことがわかるような話だ。そのハニーポットのレベルの低さがわかる。同じ作るなら、もうちょっとレベルの高いものにしてくれないだろうか?といつも思うのだ。

個人の自宅での仕事も安全にできるようにしたクラウドシステムの「キモ」は、クラウドのシステムに入るためのIDとパスワード、そしてアクセス元のIPアドレス制限などの制限事項だ。にわかの専門家が多すぎるなぁ、と、思うのだ。

 

 



自分でやってみよう

IoTの世界でも非常に多いのが、自分でやってみればわかるのに、ネット情報を検索して、答えらしきものを持って来る、という人。

以前、韓国の大学で教授をしていたときに、IoTに関しても優しく教えたのだが、そのときに「この問題の答えは検索しても出てきません。自分で考えてやってみましょう」なんてやらせたら、なんと驚くなかれ、そう言っておいたのに、みんなスマホで一生懸命検索している。言ったの聞いてないのかなぁ、と思ったが、韓国に限らず、最近の若い人はどこの国でも似たようなものだ、というのが後でわかってきた。

最近では「放射能汚染が云々」という人もいる。今は手軽な放射線測定器をAmazonなんかでも買えるわけで、まずは空間線量なら、簡易でだけれども、自分で測定できるわけです。ネットに載っている情報は、それがたとえ政府の機関の出したものでも「信用ならない」と言うのであれば、自分で測定すれば良いわけですね。しかし、それをせず、結局はネットの情報で「あれは怖い、これはいけない」とやっている。

そういう人は、自分で直接の一次情報に当たる、ということがいかに大事か、ということはやはりわかっていないんじゃないかと思うのですね。そういう人が騙されやすい。そういう時代なんだが、何でもネットに答えがある、と思うその気持ちに反して、それはニセの答えだったりするんですよね。

結論は「自分でやってみよう」「自分で確かめてみよう」なんだけれども。

 


オープンソースの時代が始まったんだが。。。

Shinjuku/Tokyo

いやもう、とっくに「オープンソースソフトウエア(OSS)」をベースにして、全てのソフトウエアが作られる時代が2年くらい前からやってきていると思うんだが、いまだに、オープンソースで実際にシステムをどう作るかとか、ソフトウエアのライセンスの問題はどうするのか?とか、そういうまともな話が一向に出てこない。これは日本とか韓国ではけっこうあって、未だに旧来のソフトウエアの作り方の話ばかりしている「おじいさん」が多い。「多い」が、「ないわけではない」という感じではあるが、その程度だ。日本では。

実際、世界のソフトウエアは、オープンソースのソフトウエアを開いてみると、そのオープンソースのソフトウエアそのものが、他のオープンソースのソフトウエアの集合でできている、なんてのも当たり前になってきた。日本はふた時代くらい遅れているところが非常に多い。ものによっては、一行もソフトウエアを書くことなく、システムができあがる、ってこともある。それに抵抗のある人も多いんだとは思うけれども、それで生産性をあげなければ、なんのためのソフトウエアかわからないじゃないですか。

そういうOSS based OSSのソフトウエアのコードをGithubから持ってくると、ベースとなった様々なOSSの様々なライセンスの条文がダンゴになっていっぱい出てくる。これは一応は全て読んでおいて、訴訟などのリスク回避を行う、なんてのも、当たり前のことになってきた。世界ではね。

いまや、ソフトウエア開発はOSSなしで考えることはできない。それをしないと、世界の水準に追いつかない。加えて、ハードウエアはすべてコモディティ化した。これからはソフトウエアが中心となる。そういう世界がここにある。だからこそ、超安価になったIoTとかがもてはやされているのであって、それは単なる流行ではないし、キーワードでさえない。それが当たり前だから、そうなったに過ぎない。だから、IoTでもセキュリティでも、OSSをベースにしたものだけが生き残る。そういう時代がここにあるのだ。

逆に言えば、OSSを知らない企業やITエンジニアは生き残れない。そういう時代に変わったのだ。

 


USB充電器の記事はいい加減なものが多い

Shinjuku NS building

ネットの情報にはいい加減なものや、思い入れがありすぎて、結果として不正確になってしまうものなど、様々な「トンデモ記事」を見ることが多くなった。さすがに、「まとめサイト」の酷さにはあきれていたが、この記事もさらにひどい記事に仕上がっている。まず、電気屋として驚いたのが、「4つのポートのどこに接続しても、1700mA」とある記述。見れば、充電器の容量は合計40W。ということは、4ポートあるものの、合計で取り出せる電流は8A。1700mAx4=6.8Aで、余裕で4ポートとも取り出せるのは、まぁ、当たり前といえば当たり前のことだ。しかしながら、タブレットなどに必要な電流容量はだいたい2.2A(最大)だから、これを4つつけると、8.8Aとなって、この充電器の容量をオーバーしてしまう。3つまではなんとかいける。

また、測定中の充電器本体の温度測定なども欠かせない。充電で家を火事にするわけにもいかないし、という測定などもしておくべきだっただろう、と思うのだが。

しかし、この記事には「測定しました」とか書いてあるのに、測定結果の図も表もない。アマチュアの同種のブログサイトでさえ、測定結果をちゃんと図とか表にして証拠をきちんと見せているのに、この記事にはそういうものは一切ない。

また、充電器の急速充電のやり方とかにはいろいろあって、特にAndroidの場合の急速充電は、USBの接続にも違いがあるんだが、そういう知識はこの記事を書いた人には一切無いみたいだ。容量だけでいろいろな判断をしているのは、なんかいただけないなぁ、というものがどうしても残る。

USBの多ポート充電器は、まずは容量を見るのは当たり前なのだが、最近は5Vだけでなく、ちょっと電圧の高い5.2Vなどというものもあって、なかなかおもしろい。この前買ったASUSのスマートフォンの充電器が5.2Vが出力の定格で、実際に調べて見ると、たしかにその電圧が出ている。だからといって、充電が速くなる、なんてことはあまりない。USB充電器とは充電器ではなく、あくまで5Vの定電圧電源装置であって、実際の充電回路はスマホやタブレットの中にあるからだ。

あと、充電器の性能を左右するものには、ケーブルそのものの質や長さ、そしてそれ以上に、USBのコネクタのところでの接触抵抗などがある。そこまでちゃんと測定した記事はほとんど見ない。この種のライターの質の低下がわかる。

実際、こういった電源の測定だけでも簡単なものではなく、いろいろ測定器を用意し、まともな測定を行うには、けっこうお金も時間もかかる。USBのソケットだけでも数種類用意するなどの気配りも重要だし、何度か抜き刺ししているうちに、接触抵抗が変わることもあって、被見物の充電器も1種類のものを1つだけ用意して測定、というわけにもいかない。この手の原稿料の馬鹿安いお手軽サイトには、正直なところ、「暮らしの手帳」のようなきめ細かな測定はまず無理だろう。

 


USB-Cのトラブル

新宿西口公園

最近はUSBの充電と言っても、USB-Cでの充電ができる機種も、様々出てきたようだ。USB-Cの特徴はAppleのLightningなどとおなじで、裏表の区別なくジャックを挿すことができる、というのが最大の特徴だが、一方で、未だに規格が複雑なため、USB-Bの時代のもののように、「買ってきてつなげば動く」という簡単さが失われ、あちこちに規格には適合しているものの、例外的なものもあって、「充電できない」「機器が熱くなる」などのトラブルはいまだに多い。

USB-Cを使った機器は、その機器に付属している充電器やケーブルなどの純正品を使うのが基本だ。

一方、Apple独自のLightningの場合は、Apple社の製品やApple社が認証した製品しか使えないばかりでなく、認証品以外のケーブルなどは、OSのアップデートなどで使えなくなることもある。これも「機器に付属している純正品」のみが安心して使える、ということになる。

ということで、この記事執筆時点で、市販品でも安心して使える「スマートフォン・タブレットの充電器」は、従来からのUSB-Bタイプとならざるを得ない。

主にApple製ではないタブレットやスマートフォン向けのUSB-Bタイプの充電器やケーブルであれば、ここまででいろいろ書いてきた記事の細かい現状はあるものの、市販品でも基本的には安心して使える。

まぁ、そういうのもあって、ぼくはAndroidのスマホやタブレットを主に使っているのだが。

 


IoTで食える会社を作るには

IoTと騒がれているから、経済産業省を中心に政府も力を入れている。IoTシステムのノードコンピュータは最近、低消費電力のARMをCPUにしているものが多いが、そのARMのアーキテクトの会社をソフトバンクが買収。IoTには将来性がある、と多くの人を振り向かせている。「ここにITの将来があるのではないか?」という期待も膨らむ。

IoTという言葉が流行るかなり前から、私はIoTのシステムを企業向けに数多く作ってきた。一番古いのは25年前だが、その頃から、同業者を数多く見てきた。加えて、最近はIT業界の構造や仕事の仕方も大きく変わり、古いやり方が通用しないところも数多く出てきた。しかしながら、技術というところから見ると、IoTシステムは簡単に言えば「ハードウエアがらみのコンピュータ利用」ということであって、その本質的なことは、余り25年前と変わらない。「作り方」という面では、あまり変わることはないのだ。特にIoTでは変わらないことが多いだろう。

変わったのは、IoTのシステムで収集された膨大なデータをPC程度でも大量で高速に、かつ安価に扱えるようになったため、人工知能やビッグデータなどのシステムの利用が比較的簡単になったこと。これは大きな変化だが、多くのシステムでは、そこまで必要ないよ、ということもままある。しかしながら、一番変わったのは、25年前であれば「何を作ったらよいか?」は、顧客から指示があったが、今は「なにを作ったら売れるか」を自分で考えなければならない、ということだ。つまり、昔のシステム屋は「何を作ったらいいか」を考えなくても、仕事があたくさんあった。だから「どうやって実現すればいいか」を考えていればよかった。しかし、今のシステム屋は「なにを作ったらよいか?」から考え、「どうやって売るか」を考えて実現し、その上で「どうやって作るか」という技術の必要がやっと出てくる。つまり、従来から言っている「開発技術」の比重が劇的に減ったのだ。また、その開発技術の一部をパッケージにして安価に(ときにはOSSとして無料で)提供している業者も多く、それらの利用技術も知っていると、同業他社との競争に勝てる。これらのトレンドを常にWatchする必要もある。

つまり、「売れるIoTの会社」の一番の要は「なにを作るかを考える」ことにある。お客様のところに行く「御用聞き」の営業も、もう必要はない。

「IoTでいかに売るか・誰にどう売るか?」

最近は、それを教えてくれ、という、そういうお客様が増えてきた。今はそういうノウハウをお伝えする、というのが、私のセミナーの大きな役目になってきている。

 


「IoTのセキュリティ」というのは「大変な問題」ではない

今は、あちこちでIoTのセキュリティがどうした、こうした、という話が非常に多い。「工場のキカイが乗っ取られたらどうするのだ」とかいろいろ言われている。しかし、IoTで専用のシステムを作るときは、機器間の通信プロトコルは独自のものとなるだけでなく、通常は通信相手が決まっており、その通信相手しか入れないようにしておく、なんてのは、企業システムとしては標準的なことだ。誰にでもあけっぴろげなセキュリティしかないIoT機器ってのはもともとない。こういうシステムを数多く作ってきた自分としては、「そんなの当たり前だよなぁ」という程度のセキュリティをしていないのは、プロとしてどうかと思っちゃう、ってなもんです。

良く例として出されるのが、ネット経由で遠隔操作できる機能が売りの某T社のビデオレコーダーの話。ビデオレコーダーって「民生品」ですよ。軍用品でもないし、工業規格品でもない。IoTともふつうは言わない。それ以前からあるものだからね。つまり、全くカテゴリが違う機器なんだな。しかも、問題となっているビデオレコーダーに使われているOSのバージョンがまぁ、古いものばかりで、今どき、そんなもの使わないですよ、てなものばかりだ。今時のOSをちゃんと使えば、そのインストール直後の既定値で動かしても問題ないものなんだけどね。

ある方がハッキングのアクセスされまくりの「ハニーポット」を作ったらいっぱい攻撃が来ました、ってそんなのわざわざ作って「こわいですねぇ」って、それ、エンジンが壊れてるクルマにわざわざ乗って「砂漠の真ん中でエンコしました、こわいですねぇ」って言ってるのと同じでしょ?それ意味ありそうに見えてないんですよ。庭に砂糖盛っておいたらアリが沢山来ました、って言ってるのと同じだよ

とにかく、「IoTのセキュリティは問題である」って言ってるのは、実は現状では余り問題にならない、という場合がとても多い。もちろん、わからない顧客になにやらすごいことをしているように見せて、価格の高い商売にしたいから、ことさら強調するんでしょうけど。IoTの電子工作界隈程度で使われているボードコンピュータ:Raspberry-Piでも、ふつうにインストール直後でセキュリティはある程度既定値でなんとかなる。まずはログインできるIDとパスワードさえ変えておけば、その程度で最初は充分だったりする。もっとセキュリティしっかりしたいのであれば、ufwとかipchainsでファイアウォール作ればよろしい。まだ心配ならXXをインストールしてしっかり設定すればいい、って、それも知らない、なんてエンジニアはそもそもエンジニアではない。自動車の運転するのに「ブレーキペダルはどこですか?」って言ってるようなもの

いやもう、最近「エンジニア」、って言ってる若い人がレベル下がりまくってるのは知ってるけどさ、そういうの連れてくるなよ、エンジニアとは言わないよ、ってのはお客様に言われるのあたりまえですよね。カネ返せ、って言われますよ。ふつうのエンジニアになって、ふつうにやりましょうよ。

ということで、結論として「IoTのセキュリティ」は、当たり前の開発技術者であれば、当たり前にやっていることで、商売でもなけりゃ、ことさら強調するようなことでもない。いや、商売だから必要以上に強調する人もいるわけですけど。で、当たり前の技術者ってのもそうそういないんだな。つまり、「当たり前だから価値がある」それがIoTのセキュリティ、って世界ですね。

 


モバイル充電器は何を選べばいいか。

【モバイル充電器はどれがいいか?】
家電量販店にも、秋葉原にも、最近は電池を内蔵した「モバイル充電器(モバイルバッテリー)」をたくさん売っている。あまりに種類があるので、どれを買ったらいいか迷う。秋葉原では、かなり大容量のものでも、なんと千円くらいで手に入るものもある。

一方で、電池を使ったこういう製品はスマホなどの報道でもよく見るが「爆発した」などの事故のニュースもよく聞くようになった。こういうニュースを見ると、「ほしいけど怖い。なにを選んだらいいかわからない」ということが多いだろう。

モバイル充電器は、タブレットを充電したり、スマートフォンを充電したりするものがほとんどだが、中にはノートPCを充電するものもある。しかし、多く使うのはスマートフォンかタブレット用と思うので、今回は対象をスマホとタブレットのみにする。

【USB出力は2個以上がいい】
モバイル充電器を選ぶとき、まず気にしなければならないのは、「USB出力個数」である。1個であれば、1個しか同時に充電できないが、2つあれば、スマホとタブレット二台持ち、なんてときに重宝する。私の場合は、スマホとPC、そして、PCにつなげる「Wi-Fiルーター」を普段持っているので、「スマホ用」と「Wi-Fiルーター用」の2個のUSB出力を持っているものを使っている。モバイル充電器は、USBの出力を1個、2個、3個持っているものがあるので、自分の使い方に応じて、選ぶと良い。が、なにか違ったシチュエーション(友人などのスマホも一緒に充電する、など突発的なこと)も考えれば、「USBの出力は2個以上」のものを選んでおくと良いだろう。

【容量はどのくらいがいいか?】
次に見るところはモバイル充電器の容量である。現時点では、小さめのもので4000mAh前後(あるいはそれ以下)、大きなもので10000mAhくらい、そしてほんの僅かだが20000mAhを超えるものもある。一般的に言って、10000mAh前後のものを選ぶと、たとえば、iPhoneSEなどの小さいものだと3回くらい充電できる。タブレットだと、おそらく1回充電できるくらいだろう。当然だが、容量が大きいものは大きいほどいいとは思うが、充電時間もかかるし、なによりも容量が大きいと「重い」。1000mAhのもので、だいたい400gくらいはする。かといって、小さな200g未満のものでは、容量は3000mAhなど小さくて、スマホを1回充電して終わり、ということになる。もっとも、最近のスマホやタブレットは少電力化が進んでおり、使い方にもよるが、ふつうの使い方ではだいたい1日は電池が持つように設計されているから、モバイル充電器はそんなに容量がなくてもいいのかも知れない。あと、通勤帰りにいつもスマホの電池が切れてしまうから、家に帰るまでの1時間持てばいい、というのであれば、3000mAh程度の容量のものでもいいだろうし、いつも外回りの仕事でなかなか充電する機会がない、ということであれば、10000mAh以上のものを選んでおくなど、自分の使い方によって、このあたりは決めると良い。通常は10000mAh前後のものを買っておけば満足することだろう。

【充電にかかる時間も考えよう】
ということで、自分の使い方にあったモバイル充電器を購入するとき、もう1つ気になるのは、充電にかかる時間だ。これは店員さんなどに聞いてみよう。寝ているあいだにフルに充電してほしい、とふつうは考えるだろうが、睡眠時間が4時間という人もいれば、10時間寝る人もいる。であれば、自分の睡眠時間内で充電できるものでないと、使えないよ、ってこともあるだろう。当然だが、容量が大きいものは充電時間が長く、小さなものは充電時間が短い。こういうことはあまり表に出ていないことも多いので、事前にメーカーのサイトなどでスペックを調べてから買いに行くのが良いだろう。

【爆発しないのか?】
結論から言うと、爆発は余り心配しなくていい。モバイル充電器の爆発があるとニュースになったりするが、非常に稀だ。爆発などの事故は、むしろ使い方が悪いときに起こりやすい。モバイル充電器の中身は「充電式電池」である。これは本質的にスマホの中に入っている電池と同じものだ。だから、毎日充放電していると、寿命はだいたい2年くらい。2年で買い替えすべきで、それでも使っていると、爆発もしやすくなる。また、極端に暑いところ、例えば35度以上になるところや、極端に寒いところ、だいたいマイナス5度以下のところでは使わないほうがいい。iPhoneだって、全ての機種の動作保証は35度である。あと、コンクリートなどの床に落とすなども、危ないことが多い。電池そのものは大丈夫でも、付属の充電・放電をする電気回路が壊れたりする。それが壊れると、爆発の危険性が増す。当然だが、水濡れははっきり「厳禁」であることは言うまでもない。風呂の水に落としたり、池に落とすと、完全に万事休すで、通常は電池がダメになるので、もしも池に落としたとか海水に漬けてしまった場合は、すぐに捨てて、新しい物を買うことだ。

ということで、モバイル充電器は基本的に日本で売っているものであれば、ほとんど、どのメーカーのものでも問題はない。しかし、使い方を誤ると、火事になったりするので、充分に気をつけよう。また、買ってから毎日使うと、だいたい寿命は2年が限度だ。2年たつと、一生懸命充電しても満充電にならず、充電するときの電力の総容量が減る。これはスマートフォンなどに付属や内蔵の電池と同じだ。だから、買い替えは必ず2年前後で起きる。どうせ買い換えるのであれば、安いものを買おう。

 


スマホの評価BLOGや記事などがアテにならない理由

最近は、スマホなどのハイテク商品のみならず、あらゆる商品をまずは検索で調べて、評価が良ければ買う、なんていう消費行動が当たり前になってきた。しかし、スマホのようなものを実際に買ってみたら、レビュー記事なんかと違う、ってことはけっこう起きる。これはレビューしている記者とかブロガーがいい加減なのではなく、メーカーがレビュー記事を見て、特に発表などもせずに、少々スペックを変更したり、改良したり、ということを後でする場合があるからなんだな。

こういうことはけっこうよくある話で、メーカーでも商品の評判には敏感だったりする。また、細部の部品なども、作っている最中に調達ができなかったりして、違うものを使う、ってこともある。結局、ブロガーなんかの記事でよくある「ファーストインプレション」なんて記事があまりあてにできない、なんてこともけっこうあるのだ。

しょせん、ブロガーなどの「使う人」は素人。対して、「作る人」はその筋のプロである。同じ製品でも、ロットや生産地が変わると、中身も変えていかざるを得ないのだ。

 


技術はお金である

技術がなぜ求められているかと言うと、それがビジネスに直結するからだ。たとえば、インターネットのような国際デジタル通信回線は、インターネット以前にもあった。でも、使う企業や人が少なかった。それはコストが高すぎて使えなかったからだ。コストが高すぎて使えないものは、いくら素晴らしい機能を持っていたとしても、無いのと全く同じだ。例えば、目の前に3億円の高級車があって、水素自動車で壊れるまで燃料の補給を必要としないすごいクルマであったとしても、それを購買の選択肢に入れる人はまずいないし、できたとしても非常に限られているだろう。しかし、数十万円で買える軽自動車はいくら3億円の自動車と比較して貧弱で、使い方によっては毎週ガソリンを入れる必要があったとしても、買う人は多くいることだろう。「素晴らしい機能です」だけを言うのは、全くフェアではない。「素晴らしい機能だけど値段はバカ高い」という言い方がフェアである。あるいは「すごく安いクルマだけど、機能はそんなにありません」でもいい。

しかし、日本はアジアで最初の高度経済成長期を謳歌した時代があって、その時代にモノを作ってきた人たちはこの「価格とのバランス」という考え方をついつい忘れてしまう。特に大企業に雇われていただけの技術者とか研究者は「コスト」についてはほとんど無知だったし、退職後の今も、それで良いと思っていることが多い。

「どうです!すごいアイデアでしょう!」
「すごいですね!価格はどのくらいですか?納期は?」
「1億円です。1年でできます」
「じゃぁ、要りません」

と、なる。

インターネットがなぜここまで普及したかというと、かつては毎月数百万円のお金を払わないとできなかった国際間などの遠距離データ通信が、いまは毎月数千円でできるからだ。そして、そのインターネットがあるからこそ、その上に「IoT」が現在のバズワードにもなっているのだ。その証拠に、かつてのバカ高い通信料金でも、国際的な巨大製造業などでは、必要があるから、その通信にお金をかけるのは当たり前だった。当然、その時代には庶民が国際データ通信を使う、なんてことは、コストを考えれば、できるわけもなかった。言うまでもないだろう。

高度経済成長期という「幸せな時代」に育った研究者とか技術者が「使えない」と言われることが多いのは、コストについて、あまりに無頓着であるからだ。それでいて、自分たちは素晴らしい仕事をした、という記憶だけが残っていて、無駄にプライドだけが高い。時代は変わっていて、技術はコストとの兼ね合いでそれを使うかどうかが決められる、という感覚が全くない、という人があまりに多いのだ。いま、Amazonで「IoT コスト」というキーワードで商品検索をしても、数点しか商品が見つからない。コストのことを考えていない人がいかに多いか、ということなんだろう。

IoTが大きく騒がれているのも、かけるコストに対して得られる効果が大きい時代になったからだ。25年前、その技術は全部あった。しかし、今なぜ再びそれが騒がれているのかといえば、多くの儲けの低いビジネスでも、IT技術を使うのに、お金がかからなくなったからだ。技術の進歩とは、そのままコストである。今は、技術者にとって「コスト」は最重要課題なのだ。