「ネット自主報道」の道具

猪瀬東京都知事のイスラムの世界を激怒させた「失言」はどんなものだったのか?どういうシチュエーションの現場だったのか?などが、いま、大きく報道されているが、それ以上にtwitterとそのまとめサイトであるtogetterの情報が現場のその場所にいた人たちのネットを介した共同作業で、ニュースなどよりも早く、かつ正確にわかっている。これを見ると、「現場」「当事者」「事実」がそのままリアルな息遣いとともに伝わってくる。マスコミはこの3つのキーワード以上に大切なものを持ちすぎ、この3つのキーワードを捨てざるを得ないところまできたかのように見える。

ところで、こういうネットでリアルタイムの配信をするための道具としては、最近はネットに接続されているスマートフォンが1つあれば事足りる。動画も静止画も撮れるし、音声ももちろん大丈夫。そのままネットにアップすることもできる。しかし、見るほうにして見れば、より高い画質で見たい、という欲求もまたある。また、長いリアルタイムの動画をそのまま見せられるのはライブといえど苦痛であることがあり、やはり編集して見せてほしい、ということもあるだろう。そこで、私の経験から、より高画質の静止画や動画を撮影しつつ、その場で自分の意見なども入れて記事を書き、すぐにネットにアップする、というために必要な「道具」を考えてみよう。

  1. カメラ(静止画)とレンズ
    カメラはなんのかんの言ってもデジタル一眼レフがいい。フォーカスが正確で素早いうえ、最近はフラッシュなしでも室内でOK、という好感度のものもある。レンズは、間近でのインタビューや人の多いパーティなどの会場ではどうしても35mm換算で20mmくらいかそれより焦点距離の短い「超広角」が欲しい。また取材対象が遠く離れることを考えれば、400mm以上の望遠がいい。兼ねラの手振れ補正機能は必須だ。できれば超広角をつけたカメラ1台、望遠をつけたカメラ1台の合計2台が欲しい。現場でレンズ交換する時間が無い、ということもある。また、そのときは2台のカメラは同じメーカーのものにしておき、片方のカメラやレンズが壊れたときや、電池がなくなってどうしようもないときに、交換して使えるようにしておく。電池はカメラの数x2個は最低持っておき、取材の直前にいずれも満充電にしておこう。また、充電器も最低1つは持って行こう。
  2. ビデオカメラ(動画)
    ビデオカメラは最近はプロでも手軽に1kgくらいの重さのものがあり、またフラッシュメモリに書き込むタイプのものがある。これが壊れにくくていい。あとでPCで編集するときも、メモリカードを差し込むだけでデータ転送が終わる。アマチュア用のビデオカメラは、それを向けられた人から見ると、あまり気分が良いものではない。「取材しています」というカタチを見せることも重要になるので、ここは一つ奮発して、少々高いプロ用のものを使うことをお薦めする。また、ビデオの映像は静止画と違って一瞬を撮れればOK、というものではないので、ブレの補正がどうしても必要になる。手振れ補正は必須だが、それ以上に「三脚」を持ち歩くことをお薦めする。これだけで随分見やすい映像が撮れる。三脚はビデオ専用のものではなくても良いが、三脚の上に載せる「雲台」の部分は、別に買ってきて、ビデオならではのりチルトやパンなどの動きがスムーズにできるものに取り替えておこう。ビデオカメラが家庭用のものしか使えないときでも、三脚は良い絵を撮るために必須だ。
  3. PC
    静止画のみを扱うのであればあまり性能の高いPCは必要ない。AtomのCPUのWindowsマシンでもOKだ。しかし、動画の編集をその場で行うとなると、CPUに「Core-i3」以上の性能のものを使い、メモリは8GB以上積んであるものをお薦めする。4GBでは少々役不足だ。ビデオ編集ソフトは、今は1万円くらいで良いものがたくさんあるので、それを使おう。この組み合わせならハイビジョン映像でも簡単に作ることができる。また、ビデオソフトで使う自分の名前や著作権表示などの入ったテロップや、題字などはあらかじめ作っておこう。原稿を書くにも、ビデオのテロップを現場で書くにも、エディタソフトは必須だが、自分で使い慣れたものを入れておこう。PCの電池の予備、充電器はもちろん一緒に持って歩く。海外に行くときは、海外用のプラグアダプターも忘れないように。
  4. カメラバッグ
    カメラバッグはこれらの機材のうち、三脚以外がすべて1つに入る大きめのものを使おう。慌ただしい現場では、大きなバッグ1つで移動をする、というようにしないと、大事な機材を忘れてきたりする。移動中でもカメラを取り出せるようにするには、やはりショルダータイプがいい。リュックのタイプはすぐにカメラが取り出せない。
  5. 通信環境
    カメラもビデオも内蔵しているスマートフォンは常に持ち歩こう。前述の機材が使えない、というときでも、なんとかなる。通信速度は速いほうがいいが、移動する場所のどこでもつながり安いことが第一だ。であれば、日本国内だったら、WiMAXのモバイルルータやe-mobileなどが良いだろう。スマートフォンのテザリングを使うのも良い。
  6. 電源環境
    また、通信環境には電源が必須だ。電源が切れたら、いくらいい映像が撮れてもいち早く画像や原稿をネットに上げることができない。外部のUSB電源の充電池は大きめのもの(できれば5000mAh以上)を1つは持っていこう。また、カメラなどの機材のAC電源は必ず持って行こう。また、これらの機材をつなげるにも、忘れがちなのがACコンセントが遠いことがあるので10mくらいのACコードを持っていくこと。また、機材で電源を使うものが多いのが当たり前なので、その先に機材の数(だいたい3~4個)だけが使えるタコ足配線用のマルチタップを持って行こう。最近は小さなものもあるのでかさばらないものを用意しよう。

ということで、ひと通りの機材を持って歩くと、自分の場合は、だが、だいたい8kgくらいになった。もう1つ必要なのは「体力」かもしれない。

「用なし」となったApple

◆Apple/Google/Amazonについて語ろう

もともと、私はAppleという会社のやり方はあまり好きではない。そのため、Apple製品は手元になるべく置かない。商売で仕方なく使うときはあるが、それだけのことだ。システムそのものをブラックボックスにして、その内部にはAppleの許可を得たものしか触らせない。独裁者と一時は言われたが、今もぼくはその感覚を持っている。

独裁の悪いところは、要するに使用者への「押し付け」がまかり通るところだ。

しかし、まだ記憶に新しい「Appleマップ騒ぎ」を見ると面白い。この問題はAppleの独裁を強化する目的でGoogleの牙城を崩す目的で行われたが、結果として失敗した。結果として「敵」であるGoogleの助けを借りなければどうしようもなかった。この事件は時代の変化をあらわす、象徴的な出来事だ、と私は思っている。

Appleは独裁の巨人だが、その独裁は一般消費者の需要に支えられており、ユーザーがほしがらなければそれで独裁は終わる。ところが企業というのは、独裁者が腐れば人はその独裁から離れることができる、という「民主主義」の独裁政権なのだ。扱っているものがたかだか可処分所得の一部を使う「趣味」程度の産業製品なので、こういうことが起きる。Appleという会社がなくなって、その製品がなくなれば、他の会社の製品を使っても、翌日から用が足りる。

ところが、現時点でのGoogleは違う。「オープン」「民主」をApple以上に強調しておきながら、また開発者への門戸をオープンにし、さらにオープンソースコミュニティへのコミットも多くしておきながら、Googleの製品は、Gmailをはじめ、普通の人にはなくてはならないものに変貌している。電気、水道などのインフラの次にGoogleの製品は必要なものになっている。Googleの元となった検索も、その検索結果のランキングはしっかりGoogleが握って放さない。そこは大きなカネが絡む場所になった。

GoogleはAppleがやろうとした「独裁」を、ポイントを押さえることによって、しっかりと掴んでいる。一般の人々の「必要経費」からGoogleにはいやでも貢がされる。Appleのような「可処分所得」からの支出ではない。そのぶん、Appleには「豊かさ」がイメージとして定着するが一方で足元の危うい収入源しかない、とも言える。Googleは「そうせざるを得ないもの」をサービスにしている。だから、貧乏臭い雰囲気や泥臭さがどこか抜けないが、収入は安定する。

つまり「好むのはApple(豊かさのシンボル)だが、現実はGoogle」が、IT世界の常識になりつつあるのだ。見事に巨人どうしの住み分けができている、とも言えるだろう。

そして、その「現実」に現れたもう1つのプレイヤーが「Amazon」だ。AmazonはこれまでのApple、Googleには無い「リアル」、すなわち「物販」がその中心だ。ITはAppleで夢だったものが、Googleで現実になり、Amazonで「モノ」「かたち」になった、というとわかりやすいだろうか?

そしてこれからは「モノ」がIT世界と現実世界をしっかりと結びつける要になる。バーチャルとリアルの接点は、Googleから実はAmazonに移った。

ITは一般の人が手に触れられる「夢」だったが、その時代にはAppleの企業としての存在意義は「人に夢を売ること」だったし、それはそれで成功した。そして、Googleでそれが情報の世界で現実に近くなったものの、それをより人間のリアルに近くしたのがAmazonだ。というよりも、Amanzonが「IT」と「現実」をリアルに「モノ」「カネ」でつなげた。それはたとえば「電子レンジ」みたいなわかりやすい「モノ」として、私達の目の前にポンと置かれる。

クレジットカード払いでAmazonでウォルマートより安い商品を見つけて画面のボタンを押せば翌日にはその「モノ」が目の前にある。しかも、AppleよりもGoogleよりも、直接的にそれができる。この時代の「AppleのiPhone」や「GoogleのGmail」は、単なる買物のための道具になる。

今はITで夢を追う時代がそろそろ終わろうとしているときだ。この変化は現実、モノとなって、「バーチャルとリアル」という「分け方」を無意味なものにしていく。あれだけの売上を上げる優良企業にもかかわらず、Appleの株価はどんどん下がっている。この現象は実はそういう時代の流れを読みきれなかった同社の「失策」であり、同社が新しい世界に適応して自らの哲学を変更できなかった報いだ。

簡単に言えば、Appleは世界の人々に先行した「夢」を作れなくなったのだ。

静かに、そして急速に、パラダイムが変わった。

4月23日~4月27日の北朝鮮の動き

【4月23日(火)】北朝鮮は23日、核兵器保有国としての地位を認めるよう要求するとともに、米国が対話を始める条件としていた核開発の放棄を拒否した。朝鮮は核兵器保有国としての地位を認めるよう要求するとともに、米国が対話を始める条件としていた核開発の放棄を拒否し北朝鮮国営の朝鮮中央通信は米国の誤判断は歴史的敗北を招くだろう」と題する論説を発表した。半島情勢を巡り米国が北朝鮮を「危険な誤判断」、「軽率な行動」と批判していることに反発し、「誤判断」、「軽挙妄動」をしているのは米国であり、朝鮮戦争についてのブラッドレー統合参謀本部議長の言葉を引合いに出して、米国は再び「史上最大の歴史的敗北だけをもたらすであろう」と主張した。韓国国防省によると、23日に同省に届いた郵便物から、金寛鎮(キムグァンジン)国防相の殺害を予告する脅迫文と袋入りの白い粉末が見つかったが、粉末は市販の小麦粉と判明し、同省は情報機関・国家情報院などとともに捜査に乗り出した。

【4月24日(水)】平壌で軍創建81周年の慶祝中央報告大会が開催され、玄永哲(ヒョンヨンチョル)軍総参謀長が「精密化、小型化された核兵器とその運搬手段を多く作り出す」と表明した。

【4月25日(木)】北朝鮮が人民軍創建81周年を記念して平壌の錦繻山(クムスサン)太陽宮殿広場で開かれた略式閲兵式行事で核攻撃に関する威嚇発言をした。韓国統一省は25日の記者会見で「韓国政府は南北間の実務会談の開催を北朝鮮に提案した。同時に、もし提案を拒否すれば重大な措置を取るとも警告した」と表明した。ボスニアに留学中である、北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)第1書記の初孫、金ハンソル(18)が行方をくらましたとボスニアメディアが報道した。

【4月26日(金)】北朝鮮は26日、韓国側が提案した開城工業団地の再開を協議する南北会談を拒否した。韓国政府も朴槿恵大統領の主宰で緊急外交安保長官会議を開き、工業団地に残留していた南側企業関係者と工業団地管理委員会の職員176人の全員撤収を決め、北朝鮮は南北協力事業の「最後の砦」を失った。

【4月27日(土)】朝鮮中央通信は27日、北朝鮮北東部・羅先(ラソン)市に昨年11月に観光名目で入国し、「敵対犯罪」により拘束されていた米国人男性ペ・ジュンホ氏が、近く最高裁に起訴され、裁判を受けることになったと報じた。

この1週間(4/17~4/22)までの北朝鮮の動き

前週とは打って変わり、この1週間の北朝鮮にはあまり大きな動きの報道はありませんでした。危機を煽る、というマスコミも、動きがなければどうしようもない、という感じです。また、北朝鮮は基本的に「厳しい条件付きで対話に応じる」→「条件付きで対話に応じる」→「対話に応じる」というように態度を軟化させてきている、と読むこともできるような動きがあるのは、今週の動きで得に注目に値するでしょう。

【4月17日(水)】北朝鮮人民軍最高司令部は16日、韓国に対して「韓国政府が反北朝鮮活動をかばい続けるなら、予告なしの報復を実施する」と通告したことを中国国際放送局が報じた。朝鮮中央通信によると、北朝鮮の中央特区開発指導総局は16日、南北協力事業「開城(ケソン)工業団地」から北朝鮮が全労働者を引き揚げたことに対して韓国政府が「遺憾」を表明したことを非難する備忘録を発表した。北朝鮮外務省の報道官は16日、「対話に関する米国の意思表明は狡猾で人をだます策略だ」として、米国が核戦争を想定した軍事演習を止め、攻撃能力のあるすべての兵器を撤収するまで、絶えず軍事力を増強していく姿勢を表した。中国国際放送局が報じた。

【4月18日(木)】韓国の企業代表者による開城(ケソン)工業団地への訪問を北朝鮮が拒否したことに対し、韓国統一部の報道官は17日、遺憾の意を示した。北朝鮮は18日、米国および韓国との対話の条件として、国連安全保障理事会による対北朝鮮制裁決議の撤回などを挙げた。

【4月19日(金)】北朝鮮国営の朝鮮中央通信は19日付で、米国や韓国に対して「対話と協議の意志を実戦の行動で証明して見せろ」と題する論説を配信した。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)第1書記の兄・金正哲(キム・ジョンチョル、32)が、最高位幹部の2世からなる「烽火組」の首長になったと、TBSが18日報じた。北朝鮮国営の朝鮮中央通信は18日、朝鮮半島情勢の緊張は「米帝の狂気じみた核戦争演習騒動」が原因と決め付け、自国が報復した場合には「敵のすべてを一気に灰じんにつくってしまう無慈悲な戦争になるであろう」と断言する論説記事を配信した。また、北朝鮮の国防委員会政策局は18日、最近の米韓の対話提案を受けた声明を発表し、対話に応じる条件として、国連安全保障理事会の制裁決議撤回などを示した。

【4月20日(土)】午前5時ごろ、ソウル竜山にある国防部前の食堂街で「金寛鎮は汚い口でむやみに言葉を吐くな。北の最高尊厳にむやみに触れ、戦争の狂気を見せれば、民族の名前で処断される」と書かれたビラ494枚が19日午前に発見され、公安当局が調査を始めた。

【4月21日(日)】北朝鮮は20日、「軍縮会談はあっても非核化会談には出ないだろう」と主張した。

【4月22日(月)】韓国の聯合ニュースは21日、北朝鮮が東海岸側に短距離ミサイル「スカッド」の発射車両2台を追加配備したと報じた。北朝鮮が中国の対話提案を受け入れることにし、中国高官が北朝鮮を訪問する見通しだと朝日新聞が20日に報道。

いま韓国は?

町並みも人も平穏

町並みも人も平穏

実際、韓国の現在の様子は、というと「北朝鮮に怯えている」という感じがいま一つない。テレビでもこの15日を過ぎたあたりから、北朝鮮の専門家を呼んでの討論会を長い時間かけてやる番組も出始め、15日以前とは少々違った雰囲気なのかな?と思わせるところもないではないが、テレビの放送全体からすると、たいした量ではない。

加えて、韓国は経済の先行き不安など、北朝鮮以上に大きな問題も多く抱えており、ニュースもむしろそういうところに重きが置かれている感じだ。

毎週末のスーパーマーケットの様子も、いつもと変わらない人々の表情と人出だし、その周辺の昔からある市場の景色も変わった感じがしない。表情には危機感というものは全くなく、こちらの友人に聞いてみたところでも「こちらの人はあまり北朝鮮のことは気にしていない。毎年やってくるもの、という感じで、ああ、またか」という程度の取り上げ方でしかない、とのこと。

加えて、韓国はこの10年ほどで大変に豊かになった、と感じる。

ソウルと釜山を結ぶ新幹線は、それまで以上に韓国の内部の距離を短縮したし、食べ物は安くて豊富だし、不動産価格も不況とは言うものの、結構高いままだ。それはそれで困った問題ではあるが。

人々の生活はといえば日本とそう変わらない。学生はみんなスマートフォンを見て下向きで歩いているし、女性の化粧もうまくなった、と感じるし、こちらでは規制の無い路上駐車のクルマはやたらと多いし、そのクルマが止まる駐車場には、かつては必ずあったミッションのオイル漏れの後なんてのは、もうほとんど見なくなった。地方都市でも、汚い自動車も見ることはほとんどない。だんだん、日本とその様相が似てきている。こちらの大学生と日本の大学生を比べて並べても、おそらくどちらがどちらだかわからないはずだ。かつてはあちこちにあったキムチのニンニク臭い匂いも、こちらの若い人間はあまり好きではなく、近くに寄ってもそういう匂いはしなくなった。昼ご飯を食べた後にトイレに行けばみな歯磨きをしっかりしている場面に会うし、清潔であることをとても気にしていることがわかる。また、若い人間の食べ物の好みも、フライドチキンだったりハンバーガーだったり、日本とあまり変わらない。コンビニに行けばツナマヨのおにぎりをはじめ、日本で買うものとほぼ同じものが手に入る。

北朝鮮の脅威はもちろんあるだろう。また北朝鮮も自分たちが戦力的に劣勢であることは、誰もが知っている。だから、彼らの「実戦」はゲリラに成らざるを得ず、また、正面切ったものではなく、テロにならざるを得ない。むしろ、テロだとしたら、それは事故のようなもの、ということにもなる。ある日突然「そうなる」のだから、対処のしょうもない。その予防のために、随所の警戒を厳重にする以外の方法は無いだろう。

ソウルやそこに近いところはもちろん危機感も大きいはずだ。昨日、在韓日本大使館のホームページに、いざというときの避難場所についての情報が加えられた。おそらく、問い合わせも多くなったからなのではないか。

たしかに、1か月前と比べれば多少の「危機」は感じられるかもしれない。でも、こちらの人は、それを本気にはしていない、というのが、本当のところだろう。

4月15,16日の北朝鮮

【4月15日(月)】故・金日成氏の誕生日を祝う行事が開催、朝鮮中央通信は、正恩氏の指導の下「核の宝剣を握った我が軍は、米国の運命に滅亡の終止符を打つ」と強調。朝鮮祖国平和統一委員会の報道官は14日に「韓国政府の対話提案には誠意がない」と批判したうえで「もし韓国当局が真に対話を望むなら、対決の姿勢を根本的に放棄すべきだ」と述べた。北朝鮮国営の朝鮮中央通信は15日、同国労働党機関紙の労働新聞の論説紹介として「朝鮮半島緊張激化の責任は米国にある」との文章を発表した。

【4月16日(火)】読売新聞の報道によれば、北朝鮮を9~13日に訪問した中村元気・日朝学術教育交流協会会長が15日、読売新聞の電話取材に応じ、現地の幹部らが「米韓に攻撃されると思ったら(ミサイルを)発射する」と強硬発言を繰り返していたと語った。北朝鮮の朝鮮人民軍最高司令部は「韓国への最後通牒」と題した文書で、韓国に対する「軍事的示威行動」の即時開始を宣言するとともに、韓国政府が北朝鮮との対話を望むなら「敵対行為を謝罪し、全面中止する意思表示をするべきだ」と主張し、また「報復行動」にも言及した。

「ブラック企業」と名指しされたユニクロだが

ネット上の「バトル」はたしかに面白い。たとえば、ここに日経ビジネス・オンラインの、ユニクロの柳井社長にインタビューした記事がある。早速、そこに反応したのは、有名な「やまもといちろう」氏だ。電光石火の速さはさすがネットである。

とは言うものの、良く読んでみると柳井社長は自分でも「3年以内離職率50%は高すぎた」「だから改善する」と、ちゃんと日経ビジネスのインタビューでは自分で言っている。つまり「やりすぎた」と言っているのだが、やまもといちろう氏も「程度ってもんがある」と、「やりすぎ」を追認している。要するに、いろいろ長く書いてあるが、それだけのことだ。両者の考えていることの方向は同じだ。「俺はブラック企業は嫌いだから、ユニクロやワタミの株を手放した」とは、やまもといちろう氏は言わないし、持っていたとしてもやらないだろう。あとはどうでもいい言い訳がながーく、続く。

しかし、誰だろうね。「ブラック企業」という単語を発明してネットに流した人は。これ、プロパガンダのメッセージとして、大変にいいセンスをしていると思う。だって、この一言で、その企業を批判するのに十分な、強力な単語になっている。わかりやすい「一言」で、その企業をまるで言い表したかのような錯覚を覚えさせ、それに成功している。おそらく、ユニクロもワタミも、その会社の中は、かなり複雑なしくみや人間関係で成り立っている。しかし、そんなことは一切おかまいなしに、その企業の外側から、その企業をすべて言い当てたかのような印象を与えるこの一言を、誰がどうやって、なんのために考えだしたのだろうか?こういう言葉を考えるのは、テレビCMのコピーライターが非常に得意だが、今回の「開発者」は誰だろう?

この「ブラック企業」という単語が一人歩きしはじめ、今や政府も腰を上げざるを得なくなった。日本語で「黒企業」と言わないで、「黒」を「ブラック」ということによって、単なる色以上のもの、たとえば、マンガの喪黒福造みたいなアヤシイ人とか、映画の「MAN IN BLACK」とか、暗黒街のボス、みたいな、そういう「ダンディかもしれないけど、裏に回ったらよほど悪いことをしているんだろう」と想像させるような、そういう雰囲気を作り出している。今やユニクロやワタミも、その内部がたとえどんなものだったとしても、この単語1つでじわじわと外部から経営の足をすくわれそうな状況になりつつある。コトバの力を感じる単語に久しぶりに出会った感じがする。

「仕事で鬱で自殺」「過労死」は昔からあった。3年以内離職率の多い企業も、昔からあった。現状のところ成功者であるワタミやユニクロも、成功しているから妬まれる、ということはもちろんあるだろうし、企業である以上、従業員に給与を払い、それ以上の働きを企業が求めるのは、当たり前と言えば当たり前の話で、かつ、この両社とも急成長してきた結果、「歪み」なんて当たり前にたくさん抱えていておかしくない。だからといって、私はそれを擁護するつもりはない。経営者がその先同じ路線で突っ走ることも肯定するが、経営者の気が変わって、あるいは労働基準監督署に目を付けられて散々営業停止を食らった挙句、路線を変更しても、どちらでも構わない。だいたい自分が関心のある会社でもなければ、その会社の株を持っているわけでもない。どうでもいいのだ。

ただただ、この「ブラック企業」という単語の発案者が気になる。これを作った人は、おそらく、ユニクロに就職して宣伝担当になれば、大きな成果をあげられる人になるはずだ。「コトバ」のちからを信じ、この「ブラック企業」という「コトバ」が世間で独り歩きし、世の中や政治の軌道修正を迫って、世の中を変えていく、その快感を、このコトバを作った人は考えていたのじゃないか、と思う。言い換えれば「コトバの道楽・愉快犯」だが、それが法律を犯しているわけでもなんでもない。

「ブラック企業」という単語1つでこれから日本の世の中がどう変わっていくか?それは見ていてかなり面白い見ものであると言えるだろう。