もうAruduinoは古いかも?

pcDuino3nano-with-bread-board

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pcDuino3nanoを秋葉原で2台購入。一台はIoTの実験・研究用に。この写真ではI2Cの温度計測モジュールIC、ADT7410を接続して、実験中。I2Cは携帯電話の中などで使われている機器内部バスだが、これからはこういった工業計測でも使われるようになるだろう。

pcDuino3nano-box

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そして、もう1台はこういったボックスに入れて、小規模サーバマシンとして利用。あるいはデスクトップ環境での実験用。

pcDuino3の中には、ソフトウエアとしてAruduinoも入っており、いま、大学や専門学校などで教材として使い始めたオリジナルのAruduinoよりも性能が良く、拡張性も高い。なにせCPUがデュアルコアで信頼性も高い。加えて、Ubuntu-Linuxが最初からインストールされており、C言語やC++言語での開発環境も中に入っていて、実際の仕事の現場での開発に一番近いものが全て入っている。もちろん、処理速度は最近のPCよりは見劣りするが、数年前のPCとほぼ同じくらいのパフォーマンスが出る。しかも、値段は5千円くらい。

細かいバグは正直言ってまだある。たとえばI2Cは今ひとつ動作がおかしいこともあるし、バスのSCLは200KHzだけしか使えないから、接続デバイスが限られる。しかし、open/close/read/write/ioctlのシステムコールで簡単にI2Cが使える、というのは素晴らしい。しかも、これにディスプレイ、キーボード、電源を接続するだけで、独立したPCのようにも使え、ブラウザなども最初からインストールされており、ネットから情報を持って来つつ、ここで実験をする、というのがこの一台で可能になる。IoTの教材としても非常に安価で性能も高い。Aruduinoはどうしても他にPC接続を必要とするが、pcDuinoではそれが必要ない。これ一台で完結するのだ。

更に拡張したい場合は、microSDソケットに別OSを入れるなり、ストレージにするなりできるし、HDDなどの接続用にSATAのインターフェイスまで備わっている。赤外線のシリアル送受信、オーディオの入出力端子は言うに及ばず、外部デバイスのためのGPIOもアナログ入出力もある。

制作してきての難点といえば、ボードを固定するためのスペーサーのビス穴がM3ではなく、一回り小さいM2になっていることくらいだが、それでも非常に手軽であることには変わりない。また、電源もmicroUSBで供給するのだが、5V/1A以下ではやはり少し不安で、2Aが必要だ。しかし、iPad用などタブレット用のUSB接続電源はどれも2Aの容量はあるので、2Aのものは現在では入手が容易だから問題ない。

大学や工業高校での教育に、Aruduinoが最近よく使われているが、pcDuinoであれば、さらに安いコストでより高性能で拡張性の高い、教育的にも高いものを用意することができる。もうAruduinoは古いのかもしれない。

「50歳代のCAが…」って話。

球場

球場

いま、というか数年前からFacebookで流行っている文章がある(全く、あくびが出ちゃうよな。この前もまた知らずにシェアしているアホを発見したよ)。元は英文だが、日本文もある。さらに最近は下手なドラマ仕立ての動画版もあるようで、全くアホもここまで来ると国宝ものである。しかも伝言ゲームのようになっていて、翻訳の途中で落とした情報もあったりして、なかなか興味深い。人種差別を扱った良い話、と言われているが、どこかおかしい。

まず、英文の全文を読んでみる。

英文:

This happened on TAM airlines.

A 50-something year old white woman arrived at her seat and saw that the passenger next to her was a black man. Visibly furious, she called the air hostess.

“What’s the problem, ma?” the hostess asked her

“Can’t you see?” the lady said – “I was given a seat next to a black man. I can’t seat here next to him. You have to change my seat”

– “Please, calm down, ma” – said the hostess

“Unfortunately, all the seats are occupied, but I’m still going to check if we have any.”

The hostess left and returned some minutes later.

“Madam, as I told you, there isn’t any empty seat in this class- economy class.

But I spoke to the captain and he confirmed that there isn’t any empty seats in the economy class. We only have seats in the first class.”

And before the woman said anything, the hostess continued

“Look, it is unusual for our company to allow a passenger from the economy class change to the first class.

However, given the circumstances, the commandant thinks that it would be a scandal to make a passenger travel sat next to an unpleasant person.”

And turning to the black man, the hostess said:

“Which means, Sir, if you would be so nice to pack your handbag, we have reserved you a seat in the first class…”

日本文:

【人種差別・意訳 ENGLISH/JAPANESE】実際にあった話

50代とおぼしき妙齢の白人女性が機内で席につくと彼女は自分の隣が黒人男性であるという事に気がついた

周囲にもわかる程に激怒した彼女はアテンダントを呼んだ

アテンダントが「どうなさいましたか?」と訊くと

「分からないの?」とその白人女性は言った
「隣が黒人なのよ。彼の隣になんか座ってられないわ。席を替えて頂戴」

「お客様。落ち着いていただけますか」とアテンダント
「当便はあいにく満席でございますが
今一度、空席があるかどうか、私調べて参ります」

そう言って去ったアテンダントは、数分後に戻って来てこう言った
「お客様、先ほど申し上げましたように、
こちらのエコノミークラスは満席でございました。
ただ、機長に確認したところファーストクラスには空席があるとのことでございます」

そして、女性客が何か言おうとする前に、アテンダントは次のように続けた

「ファーストクラスに席を替えるという事は通常行っておりませんしかしながら、或るお客様が不愉快なお客様の隣に座って道中を過ごさざるをえない、という事は 当社にとって恥ずべき事となると判断いたしますので当然事情は変わって参ります」

そして黒人男性に向かってアテンダントはこう言った
「ということで、お客様、もしおさしつかえなければお手荷物をまとめていただけませんでしょうか?ファーストクラスのお席へご案内します」

近くの乗客が、歓声をあげるのをその白人女性は呆然と眺めるだけであった
スタンディングオベーションを送る者もいた

で、これは英文ではTAM-Airlinesというブラジルの航空会社で起きたこと、とされているところが多い。しかし、日本文で出回っているものは、どれも航空会社の名前がない。

日本人の感覚で「人種差別」のことを言うのは、実はかなり「違う」。たとえば、米国では人種差別は完全に法律違反でアウト。レストランなど、被差別者からの告発で簡単に潰れてしまう。

LAの某所のSTARBUCKSで長い列に並んでいたとき、ぼくら日本人の数人のグループが、会話の中でちょっとだけ「Racial discrimination(人種差別)」という単語が出た。それを店の人が聞きつけ、店長と思しき人が、あわててすっ飛んできて、咄嗟に「どうぞ、どうぞ、列の前のほうに行ってください」なんてこともあった。人種差別の告発一つで店長のクビが飛ぶからだ。

だから、この話は「いい話」なんかじゃなくて、CAとか機長とかのクビがどうなるか、という話であったりしないだろうか?。そのまま日本人の感性で読んではいけない話ではないのか?。

また、ファーストクラスが、なんて言うが、ぼくも米国の国内線をたくさん使ったが、ダブルブッキングで席がない、なんて当たり前に起こる米国の国内線では、席がないからファーストクラスへ、なんてことは当たり前にある。「ファーストクラス」の席、なんてのは、そんなにたいしたことではない。TAM Airがそうであるかどうかは知らないが、First Classの席が、Economyの席とそんなに変わらない、というところも多くある。

これは、私の想像だけれども、こういったシチュエーションの場合、航空会社、あるいはCAに対して、乗客が苦情を言ったり、訴えたりする可能性ないとはいえない。CAの立場としては、黒人から訴えられる場合と、白人から訴えられる場合のリスクを天秤にかければ、この場合は、黒人をファーストクラスに移したほうが、従業員や航空会社にとって有利になる。おそらく、CAはそういう判断をしたのだと、私は思う。人種差別の問題がどうしたこうした、という問題もさることながら、このCAはやはりとっさにそういうリスクを判断し、天秤にかけ、機転のきいた判断をした、と、想像する。

米国に半年だけでも、日本人が住んでみるといい。そういう人種差別にはどこでも出会う代わりに、白人は「人種差別をされた」という告発をどれだけ恐れているかを見ることもできるからだ。

 

釜山って日本人もともと多いところなんだよね。

うーん、なんかすごいことしているつもりなのかなぁ?釜山って毎週行ってるけど、日本人観光客がもともとすごく多いところで、地下鉄に乗っても英語表示・中国語表示・日本語表示はすべての駅にあり、乗換駅では日本語も含め各国語でアナウンスもある。市営バスでも全く同じ。お店でも「日本語使えます」ってところが多いし、屋台でも日本語の価格表書いてあるところもあるよ。福岡から飛行機で40分ほどで往復1万円以下だから、福岡とか大阪の人にしてみれば東京に遊びに行くより早くて安いしね。それに、韓国はいまバブル経済の真っ最中で、日本の沈んだ雰囲気じゃなくて、華やかで気持ちがいい。

【人工知能の未来?】ある「死」について

晩秋

晩秋

◆スマートフォンのある生活

朝、目が覚める。スマートフォンの目覚ましが鳴る。午前6時。

スマートフォンを見ると、今日のスケジュールが書いてある。まず会社に行って、午前9時半にやってくるお客様と打ち合わせて。。。いつものウィークディだが、夕方には大学時代の友人との飲み会が入る。外に出ているのが多いときはスマートフォンの電池を充電するタイミングまで教えてくれる。今日はモバイルバッテリーを持ち歩く必要はなさそうだ。

会社に行く途中、スマートフォンのアラームが鳴った。

「GPSによれば、今朝は通勤ルートを外れているようですが、なにか予定外のことをしていますか?」

スマートフォンの画面には怪訝な表情のアニメの女性の絵が出ている。ぼくはスマートフォンに向かってしゃべる。

「ちょっとお腹の調子が悪い。途中下車して飯田橋駅のトレイに寄る。混んでいなければ10分くらいのロスになると思うけど、その後会社に向かうよ」

スマートフォンはそれにこたえて、

「わかりました。遅刻の可能性があるので、会社にも連絡を入れておきます。課長さんのメールアドレスでいいですね?」

と言うので「OK」とだけ答えておいた。この後、しばらくしてトイレから出たらまたスマートフォンのアラームが鳴る。

「薬屋はここから100m南西に行ったところの門にあります。午前9時過ぎにはそこが開きます。出社予定は9時半なので、今ならぎりぎり間に合うはずですが、会社へは再度連絡を入れません。変更した予定を記録します」

とスマートフォンが答える。

見れば今日のスケジュール表に「腹痛のためXX駅トイレで5分」と記入が済んでいる。さらに、「XX薬局で薬を買う。XX円。ロス5分」と勝手に記入されてもいる。この薬がいい、ということらしい。

会社に着くと、最初の接客のための資料をまとめる。スマートフォンの画面には、揃えるべき資料や、今日来る相手のFacebookでの発言履歴などが勝手にスクロールしている。これを横目で見ていると、PCの中に入っている、これまでに揃えた資料がスマートフォンでも見られるように自動的に転送されている。接客のときはこれをプロジェクタにつなぐだけだ。

接客が終わると、しばらくしてスマートフォンが鳴る。

「今日は午後1時ちょうどにアドバンスト・トーキョーの三宅さんと会議です。まだ11時半で少し早いですが、お昼に行くことをお勧めします」

ああ、そうだったな、と、スマートフォンを持って昼食に出る。またスマートフォンが鳴る。

「昨日はちょっとボリュームがありましたね。今日は量が少なめのものがいいでしょう」

昼食はラーメンにしたが、それをスマートフォンの写真で撮ると、スマートフォンがまたなにか言い出した。

「約200kcalオーバーです。今夜の食事は考えてとったほうがいいと思います。飲み会なのはわかっていますが」

さすがに「余計なお世話だ」と言ってしまった。それもスマートフォンが聞いていたらしく、

「すみません。でもこのところ忙しいですから、体には気をつけたほうがいいです」

と返してきた。まったく、母親がいつも横にいるみたいだ。うるさいのでスマートフォンのセッテングで返答の五月蝿さレベルを少し下げた。

今日の打ち合わせの内容について考えながら食べていると、またスマートフォンが鳴る。

「あと10分で食べ終えてください。そうしないと会議の資料をまとめる時間がとれなくなります」

しょうがないなぁ、と急いで食べ終え、会社に戻り、来客との会議に入ったが、会議中にまたスマートフォンが鳴る。

「あと20分で電池が切れます。充電してください。充電時間は30分で80%、1時間で100%。今日はこれから100%充電できますね」

スマートフォンに充電器をつなぐと、スマートフォンの中のアニメの女性がにっこり微笑んだ。

午後の会議と仕事を終え、今日の会議の結果と雑務をしていると終業の時間。今日はこのあとに大学時代の友人と飲み会が入る。会社は違うが同業種なので、おそらく仕事の話にもなるかも知れない。終業30分前に、またスマートフォンが鳴る。

「そろそろ終業ですが、帰りに社長にお話する件がありましたよね。一言言ってから出たほうが良いと思います」

なるほど、思い出した。来月に迫った海外出張旅費の件だ。少々オーバーしそうだ、という話を同僚としていたのをスマートフォンが聞いていて、その中に「じゃ、社長と相談してみるか」という言葉があったので、それを抽出したのだろう。

社長にその件を話しをして、OKをもらい、そのまま会社を出る。行き先は新宿の居酒屋だ。学生時代によく通った、チェーン店ではない、うらぶれた街角の路地にあるところだが、学生時代を思い出すには絶好の場所だ。ここ数年来ていない。友人も何年も来ていない、と言っていた。

スマートフォンが喋り出す。

「このお店は初めて来たところですね。どういうところですか?」

答える。

「学生時代によく通った店。今日会うのも、学生時代の仲間だ」

スマートフォンが聞いてくる。

「学生時代の、フットサルのクラブの仲間ですか?それとも、クラスメート?」

「いや、両方だ」

「わかりました。お店の情報その他を記録しておきます。お友達の顔写真も撮ってくださいね」

店に入ると、学生時代そのままの顔がぴっちりとした黒いスーツを着て座っていたので、少し笑ってしまった。いや、自分だって彼にはそう見えているはずだ。

「懐かしいなぁ!」「変わらないな!」

学生時代の出会いは、一生の出会いだ、と感じる。したたかに飲んで、お互い家路につく。このあいだ、スマートフォンはぼくらの会話を聞いていて、声の特徴なども記録している。話しが弾みすぎて友人の顔写真を撮り忘れたが、次回会うときは、彼の声の特徴を使って、スマートフォンは彼とぼくが会っていることを認識することだろう。もちろん、彼から電話がかかってきたときでも、「大学時代の友人のXXさんですね」と教えてくれるに違いない。

飲み過ぎたな、と思った。近くの私鉄の電車に飛び乗って、そのまま寝込んでしまった。

降りる駅に近くなると、スマートフォンが鳴る。

「そろそろ降りる駅です。準備をしてください」

その声に目が覚める。フラフラになりながらも、ホームへ。もう時間も遅いので駅からのバスはない。そこからタクシーだ。タクシーへの支払いも、カードと紐付けされたクレジットカードの非接触で行われるから、ここで小銭を出す必要はない。タクシーを降りると、そのまま自宅のアパートのベッドに倒れこむ。また、スマートフォンが鳴る。

「玄関のカギをかけ忘れてます。施錠しておきますか?」

「ああ、やっといてくれ」

カギが自動的に「ガチャ!」と音を立てて閉まる。ぼくはスーツのまま、深い眠りに落ちた。

 
◆ログアウト

ある日、スマートフォンが鳴る。

「ログアウトしてください」

え? と思った。しばらくそのままにしていると、またスマートフォンがつぶやいた。

「ログアウトしてください。時間です」

言われるままに、画面に出ている「ログアウト」のボタンを押した。

「ご苦労様でした。あなたの人生はここまでです。長い間、ありがとうございました」

ぼくは、死んだ。

米国の著名な学者が人工知能がさらに発達すると人類は終わる、と予言した。本当に、もうすぐやってくる未来とは、本当はそういうものなのかもしれない、と思った。