今年のモバイルデバイスを振り返る

MyPriori2

今年、あくまで個人的にだが、買ったり使ったりしたモバイルデバイスを振り返ってみた。

基本的に、ぼくはITだモバイルだといっても、あまり個人的に大きなお金はかけられない。懐事情もあるが、不況の続く日本では、これって世間一般にそうなっている感じがする、ということもある。だいたい、基本的に2万円を超えるものは買っていない。印象に残るものからあげてみる。

Freetelのpriori2(1万円~2万円):
今年、モバイルデバイス最初の驚きは、freetelのこのスマートフォン。現在はpriori2、priori2/LTEの2つを使っている。この記事を書いている時点では既にpriori3が登場して売られている。画面はいまどき854×480の精細度だし、画面は4.5インチ。メインメモリ(RAM)はこれもいまどき1GB。Wi-Fiも2.4GHz帯のみだが、CPUはQuadCore、電池容量は1700mAhなのに消費電力が低いために電池の持ちも悪くなく、高精細でゲームをガンガンやる、とか、電子書籍をこれでたくさん読む、というのでなければ、スマートフォンとしては必要十分、というスペックだと、私は思う。加えて、価格は3Gタイプで1万円ちょうどくらい。LTEは2万円に足りないくらい。ぼくの不満は、050plusのIP電話を使ったとき、送話の音声レベルが極端に低いこと(3Gのみのトラブル)。安価で女性の手のひらに乗せてもOKという小ささは今でもアドバンテージがある。加えて、電池交換が自分でできる、というのも、自分的には点数が高い。なにもかも最高のスペック、というわけではないし、そういう褒め方はこの機種に関しては当たらないだろう。しかし、3G/Android5.0のほうはまだ不具合が多く、別に買ったfreetelのSIMではインターネットに接続できない、ということがあった。OCNモバイルONEのSIMではちゃんと接続ができた。また、SIMは二枚差しができるが、LTEタイプのほうは2枚目のSIMはGSMのみで日本国内では使えない。

ASUSのChromebook(1万円台~2万円台):
ASUSでなくても良いのだが、Googleのパブリッククラウドをフルに使った新しいタイプのPC、「Chromebook」。まずその特徴は、オフィスからなにからすべてGoogleのクラウドで動かす、ということと、価格がなんと1万円台くらいからある、ということだ。既に米国ではMacBookより売れ行きが良い、という話も伝わっている。Microsoft Windowsも次期バージョンは同じように、クラウドをフルに使ったものになるとのことだが、とにかく安価で、一通りのことをするのに不便がない、というのは素晴らしい。加えて、ウィルスなどが入り込む余地がなく、端末盗難時などのセキュリティも堅固。なぜ安価なのかというと、HDDの代わりに16GB程度のフラッシュメモリになっているため、構造的に簡単であることがあるだろう。だから、電池も10時間は十分に持つ。

HUAWEI p8lite(2万5千円):
自分で今年買ったスマートフォンではおそらくいちばん高い。といっても、こんなものだ。画面は1280×720でFull-HDではないが、まぁ、その雰囲気は出ている。LCDの大きさは5インチ、OctaCoreのCPUに2GBのRAM,LTE対応。Wi-Fiは2.4GHzのみ。このスペックにしてこの価格。押さえるところはしっかり押さえて、削るところはしっかり削る。スマートフォン全体から見ると安価ではあるのだが、高級機種の雰囲気もある。電池は交換できないのが、自分としては点数が低い。

●世界的不況の時期のモバイルデバイス
とにかく、世界的な不況に入って入る時期のようで、モバイルデバイスも進化している、という感じはあまりなく、景気も良くないので、消費者のサイフの紐もかたい。こういう時期のモバイルデバイスのあり方はひとえに価格だ。業界がこれから大きくなるかというと、どこも縮小中だし、高いものはもともと売れないし。日本の家電量販店を見ていると、世界的に売れているChromebookはほんの数台しか売っていない。PCの価格で安いものは売りたくない、というところが見える。日本のPCブランドもChromebookはほとんどやっていない。売る側の心理としては、こういう安いものが売れるようになるのは売上が落ちるからやめてくれ、ということもあるんだろうが、それでもWindowsはChromebookのようになることを目指し始めた。このPC価格の高止まりが崩れるのは時間の問題だろう。今は必死で抵抗中だ。であれば、最初にその流れに乗ったほうが勝つだろう。時代は「低価格」。そういうところまで来ている。


【改定】スマホ・タブレットの充電器と充電ケーブルの話

最近、家電量販店とかに行くと非常に多くの種類が売られている「スマホ・タブレット用(USB)充電器」についてだが、いろいろな記事で大きな間違いが書いてある。しかもその間違いに気がつかないと、家が火事になるようなことだって考えられる。知識が無いと危険きわまりない、という記事があまりに多いので、ここに書くことにした。できるだけ素人でもわかるように、買うときの注意を簡潔に書こうと思う。

●基本的に充電器と充電ケーブルがセットになったものを買うこと:
まずは、充電器を買うときは、充電器本体と充電用のケーブルが一緒に売られているものを買うのが基本だ。充電器本体に合ったケーブルが必ずついてくるから、間違いがない。

●充電器と充電ケーブルを別々に買うときは、まず充電器から買うこと:
充電器と充電ケーブルを別に買うときは、まず充電器が使える「電圧」を確認する。「AC100V-240V」と書いてあれば日本だけではなく海外でも使える(海外で使う場合は別途プラグの形状を変える数百円のプラグアダプタが必要になる)。日本国内のみの場合は「AC100V」の記述があるはずだ。これをまず確認しよう。次に確認するのは「出力(OUTPUT)電流」である。スマホやタブレット用であれば、「電圧」はだいたい5Vと決まっているので、こちらは見る必要はない。「電流」が問題だ。スマホの充電であれば、1台で約0.5A-1Aが必要だ。タブレットは「2A以上」が必要だ。たとえば、タブレットを2台同時に充電したい場合は「2A+2A=4A」以上の充電器が必要になる。また、スマホ(1A)とタブレット(2A)を同時に充電したい場合は「1A+2A=3A」以上の充電器が必要になる。ただし、最近のスマホでは、1A以上の充電電流を必要とするものも増えてきたので、タブレットであれ、スマホであれ、基本的に「充電器は2A以上」のものを買うと良い。

●充電器とケーブルを別々に買うときのケーブルの選び方:
ケーブルはスマホ充電用であれば「1A」の電流が通るものがあれば、十分だ。タブレットの場合は2A以上の電流が通るものが必要になる。「大は小を兼ねる」ので、タブレット用のケーブルはスマホ用のケーブルとして使うことができる。しかし、スマホ用のケーブルはタブレット用のケーブルとしては使えないこともあるので、気をつけよう。

●「急速充電ケーブル」は急速充電できる。でもPCのUSB端子は使えない。PCのUSBを壊すことがある:
基本的に、急速充電ケーブルは急速充電できる。ただし、充電器の電流容量が十分であることが必要。実は、多くのPCのUSB端子は基本的に「0.5A」の電流容量までしか考えられていない。だから、PCから充電するときは、急速充電ケーブルを使うと、PCのUSB端子を壊すことがある。「急速充電ケーブル」を使うときは、スマホでは1A以上の充電器、タブレットでは2A以上の充電器を使うこと。

●「急速充電ケーブル」は「充電専用」なのでPCとのデータの受け渡しには使えない:
急速充電ケーブルはあくまで充電専用に設計されているので、PCとスマホをつないでなにかしたいときには、使えない。

●間違った組み合わせをすると、PCが壊れたり、家が火事になることがある:
以上のことが守られていないと、充電器が容量オーバーで火を吹いたりして家が火事になることがある。また、PCのUSB端子を壊すことがある。たとえば、PCのUSB端子に急速充電ケーブルを接続して充電すると、PCのUSB端子を壊すことがあり、そうなるとPCを修理に出す必要があることもある。

●結局、なにを買えば「絶対に間違いない」のか?
簡単に言ってしまうと「2A超の容量を持つ充電器(できれば2.4A以上)」+「2A超(できれば2.4A以上)の容量を持つ充電専用ケーブル」の組み合わせであれば、タブレットに使っても、スマホに使っても、まず間違いはない。そして「PCからの充電はしないこと」だ。PCとつなげてデータのやり取りをする場合(iPhoneをPCのiTunesとつなげるときなど)だけ「満充電のスマホ(タブレット)」+「データ通信ケーブル」を使うと良い。これで多くの事故は防ぐことができる。

※当然だが、これは「1つの充電器に1つのUSBポートがついている場合」のことだ。1つの充電器に複数のUSBポートが付いている場合は、容量もそれに応じて2つなら倍、4つなら4倍、となる必要があることは言うまでもない。

※ ここでは初心者向けの記事ということで、「なぜそうなるか」は書かない。しかし、現在USBの充電器とUSBの充電ケーブルの規格はちゃんとした規格がない。そのため、様々な製品が出ていて、組み合わせによっては事故が起きる可能性がある、ということだけは覚えておこう。また、充電電流を実測しました、なんて記事もあるが、よく見ると、PCから充電していたり、「電池容量が空の場合からの充電なのか?それとも満充電に近い状態からの充電なのか」ということが書かれていないものもいっぱいある。つまり、充電に関する知識が無い人が書いている記事が非常に多いのだ。注意するにこしたことはない。ちなみに、電池が空の場合から充電するときは大きな電流が必要になるが、満充電に近い状態だと、小さな電流で済む。

一例としてだが、この記事は非常に危ない。まず、充電電流を調べるのに、PCを使って「0.85A」なんかで充電させている。実はUSB2.0では0.5Aまでが保証されていて、USB3.0では1Aまでが保証されている。そのどちらかを一切問わずに、こういう実験をするべきではない。この記事の実験ではPC側のUSBがもし2.0であれば、0.85Aという電流が流れた時点でアウト。つまり、USBを壊す可能性がある。また、充電をしている時点でスマホ側が満充電に近い状態なのか、あるいは、空の状態なのか、ということも書いていない。つまり気にしていないのだろう。

基本的に、「急速充電ケーブル」というのは、内部の配線を少々普通のUSBケーブルとは変えてあって、スマホ側が充電器側により多くの充電電流を要求する。普通のUSBケーブルでは、通常は0.5Aまでしか電流が流れないように、スマホ内の充電器に司令を出している。つまり、USB2.0の規格にあわせてあるのだ。こういう知識がなく書かれている記事は要注意だ。下手をすると、PCのUSBポートを壊したり、家を火事にすることもある。


「格安SIM(MVNO)」の基礎知識

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いろいろな方に、「格安SIMっていいですよ。なにせ毎月のスマホの通信料金が7千円かかっていたのが、2千円になりました」ということをお話すると、「それはいい!是非!」って話になるのだが、そもそも「SIM」ってなんですか?という話になることが多い。そこで、現在のスマホ(や携帯電話)のSIMとはなにか、ということを書いて見よう。

●SIMは「契約の証明書」:
まず、現代のスマホでは、データ通信が行われている。スマホと基地局のあいだ、基地局とdocomo/au/SoftBankなどの中央の交換機のあいだ、ともにだ。そのとき、不正な電波で割り込むことができないようにしなければならないし、また、課金を各スマホの所有者ごとに認識しないといけない。そこで、スマホの中には、通常は「SIMカード」という契約情報がICに書き込まれた、小さなICカードを入れてあり、この情報を読んで、スマホと基地局-中央の交換機の通信が行われて、そのスマホが通信ができるようになっている。つまり「SIMカード」に契約が書かれている。docomoやSoftBankでは、新機種を買ったときや他人の使っていた中古のスマホを買ったとき、今まで自分が使っていたスマホからSIMカードを抜き取って、新しいスマホに抜き取ったSIMカードを入れると、それまでの古いスマホから新しいスマホに契約が移るので、問題なく新しいスマホで電話やデータ通信ができるようになる。

●SIMを入れ替えると3種類の通信ができる:
このSIMに書かれている契約情報を元に、スマホを使うと、電話回線経由で「(1)電話」「(2)SMS(ショートメッセージ)」「(3)データ通信」ができるようになる。(3)のデータ通信は、Webを見たり、Facebookやtwitterをやったり、LINEをやっったりするのに使われる。(1)は音声の電話なので、説明の必要はないだろう。わかりにくいのは(2)だ。これは、音声の電話の回線を使って、短いメッセージのやり取りをするためのデータ通信だ。つまり、SMSとは「Short Message Service」の略だ。つまり、SIMに書かれている契約情報は、この3つの通信が対象になっている。実は(2)のSMSは余り使われることはないが、LINEなどの「認証」で使われることがあり、特にLINEを使っている人には必須である。

●だから、SIMとWi-Fiは関係ない:
よく聞かれるのは「Wi-Fi(無線LAN)はSIMと関係ないのですか?」という質問だ。簡単に答えをいえば、「関係ない」ということになる。Wi-Fiでの通信は、SIMで通信をするときの「(3)データ通信」のみを、家庭や会社で使われているWi-Fi(無線LAN)で行うものだ。もちろん、最近よく使われるようになった「公衆無線LAN」も同じだ。しかし、スマホでの通信はFacebookやtwitter、LINEなど、データ通信の比重が非常に重い。だから、(3)データ通信のみ、だけでも、普通は十分、ということになる。また、YouTubeなどのビデオもほとんど(3)データ通信を使う。ということは、スマホの通信料金のほとんどはデータ通信料金なので、Wi-Fi(無線LAN)にスマホが接続されているときは、データが携帯電話会社の交換機を通らないので、いくらデータを使っても、毎月のデータ通信料金はかからない、ということになる。もちろん、普通であれば、家や会社のオフィスにいるだけではなく、外出したり通勤したりするわけだから、そのときは家庭やオフィスのWi-Fiは接続できないから、データ通信はSIMで契約した携帯電話会社の通信に頼ることにならざるをえない。逆に言えば、SIMに書かれた契約が関係するのは、Wi-Fiが使えないとき、ということになる。

●ビデオをたくさん見るのであれば:
YouTubeなどのビデオはデータ通信の量がすごく多い。だから、ビデオを見るとき、携帯電話会社の通信を使うと、通信料金が膨大にかかる。しかし、家庭やオフィスのWi-Fiを使うと、携帯電話会社の通信料金は一切かからないで、見放題になる。だから、オフィスや家では、そこにあるWi-Fiに必ず接続して、Facebookとかtwitter、メールなどをするほうが、通信料金が安くなる。

 


スマホが壊れた。コンビニで買ってくる。え?無料?


 

米国ウォルマートで、韓国LG電子のスマートフォンを売ることになったそうだ。価格は10ドル。現在の円ドルレートを考え、消費税なども考えると、日本では¥1,480-という値付けになるだろうか?コンビニでも売ってOKという値段になる。おそらく、そうなったとしたら、今のiTunesカードの隣あたりに、ブリックパックでジレットの簡易髭剃りみたいにして売られるに違いない。そしてゆくゆくは、スマホは無料で配られることになる可能性も否定できない。これがスマートフォンの近未来だろう。

PCの近未来に話を移すと、クラウドブックの一つであるGoogleのChromebookは、いまや2万円前後で売られている製品もある。HDDはなく、HDDより、はるかに容量の少ないフラッシュメモリが外部ストレージになっている。これで十分だ。アプリケーションソフトウエアはネットで接続されたクラウド上で動くもののみ。処理するデータも同じようにクラウド上にあるものを使う。完全にクラウドに依存したPCである。近いうちに、Windowsもこの方向に向かうというアナウンスもあった。これから、ちゃんとしたキーボードを持ったPCは2万円前後というのが普通になるだろう。

スマートフォンもPCもアプリケーションソフトウェアはクラウド上にあるものを、月額の安い料金を払って使うことになる。これまで数万円したソフトウエアのパッケージはなくなり、代わりに月額数百円から数千円で使えるクラウド上のソフトウエアを使う。MicrosoftのOffice365が既にこの収益モデルで動き始めている。当然だが、スマートフォンやタブレットのアプリも同じ仕組で動くようになるだろう。かつて、中国大陸の市場を目指してAlibabaが仕掛けた「Aliyun」というスマートフォン用のクラウドOSがある。Googleの先手を打って「完全クラウドOS」を目指したものだったが、結局はGoogleに潰された、という過去がある。しかし、方向は間違っていない。いずれみんなそうなるのである。おそらく、PCも無料でどうぞ、という時代に入るのだろう。

近未来のスマートフォンとPC、そしてタブレット。これらは明らかに同じ方向を目指している。そしてそれは利用者の初期投資の破格の安さによって、受けいられるところとなるだろう。誰もがインターネットに繋がる時代とは、こういう時代のことを言うのである。インターネットがつながらないプロダクトは、電池の切れたプロダクトと同じだ。だから、ぼくらが使うPCやスマホやタブレットは、電源に加えてネット接続という2つの命綱のうえでしか動かなくなる。「携帯電話 電池切れればただの箱」と言っていた時代があったが、今後は電源に加え「ネット接続がなければただの箱」という時代になるのである。