スマートフォンなどに使われる「リチウムイオン電池」とはどんな電池か?

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ワイキキのハイビスカス

今は技術というものが一人のものではなく、あちこちの別人に「専門」として、分かれて存在しているから、仕事としては非常に高効率になるんだが、その代わりに、全体を把握している人が少なくなり、たとえば、スマートフォンやPCの電源一つでも「充電式電池の専門家」「AC電源の専門家」なんてのができて、お互いに連携しているんだかいないんだかわからない、みたいな状況になってきている。使う方はそんなこと気にしないで「一流メーカーのものだから、間違っても爆発なんかはしないだろう」と思って使っているのだが、裏側にまわると、いやもう、なんというか「これでいいの?」みたいな場面に当たることはけっこうある。

コストダウンや製品ができるスピードを重視するあまり、じっくりとした仕事はできないから、電源は社内で作らないで外注に任せよう、なんていうことになると、さらにわけがわからない。製品はできるが、気がついたらあちこちで爆発事故が起きた、なんていうようじゃ、製品販売で出た利益が吹っ飛ぶどころか、会社が潰れる危険さえ出てくるし、上場企業であれば株価が暴落、なんてこともあるだろう。

私たちが毎日当たり前のように使っているスマートフォンやタブレット、PCの電池のほとんどが、今は「リチウムイオン電池」というのを使っている。このリチウムイオン電池の特徴は以下だ。

  1. 少ない容積、比較的軽い重さで、多くの電力を貯めておける。
  2. 小型の形状にしやすい。
  3. 一度に大きな電流が取り出せる。
  4. 充電や放電のやり方が難しく、電気回路開発には技術的な難易度が高い。
  5. 電気回路がうまくないと、爆発の危険がある。
  6. 途中まで充電して使い切るとか、放電途中で充電するなどが比較的自由にできる。
    リチウムイオン電池ではない場合は、100%充電してから0%に近いくらいまで放電させないと、再度の充電がうまくいかないことがある(メモリー効果がない)。
  7. 並列の内部抵抗が比較的低いので、充電してから放置しておくと、電池がなくなるのが速い。
  8. 使用温度などの管理を非常にしっかりやっておく必要がある。そうしないと、爆発したりふくらんだりして、性能が劣化する。

しかし、リチウムイオン電池の充電・放電用のIC(半導体集積回路)というものが部品として半導体メーカーから出ており、多くのスマートフォンはそのままそのICを使っている。ここにはリチウムイオン電池の充放電のノウハウが詰まっている。通常はそれでなんとかなる。

これらの特徴はもちろん、リチウムイオン電池を内蔵したモバイルバッテリーでも同じことが言える。しかし、一番の特徴は「電力をたくさんためておける」ということで、これを「エネルギー密度が高い」と表現する。単位体積あたりに貯めておける電気が多い、ということだ。だから、リチウムイオン電池があるから、機器を小さくできる、とも言える。しかし、爆発の危険は常にあるのだ。今日も今日とて、世界のあちこちで「スマホが爆発しました」なんていうニュースを見ることになる。

では、こういった「スマホ爆発事件」の被害者とならないためにはどうしたらいいだろうか?一番いいのはスマホを持たないことだが、そういうわけにはいかないわけだ。、まずは、充放電については、取扱説明書をよく読んで、その通りの使い方をすることが第一だ。極端に温度が高いところや低いところに置かない、衝撃を与えない、膨らんできたら、すぐに電池を取り替える、など、取扱説明書には多く書いてあるはずだ。その通りにすれば、ほとんどの事故は防げるはずだ。そして、「おかしいな?」と感じたら、すぐにショップなどに駆け込んで実情を説明し、場合によっては電池の交換や新しい電池を買って古い電池を捨てる、などのことが必要になる。

覚えておいて欲しいのは、スマホなどに使われている電池は「非常にデリケートなもの」である、ということだ。だから、説明書通りに、大事に扱うことが必要だ。