シリア後の「情報戦争」

12月12日、基本的にシリア全土はアレッポの勝利で政府軍の手に。反政府軍の防空壕からはNATO元幹部がぞろぞろでてきたとかいう話もでてきた。私が現地にいるわけではないから、当然又聞きのネット情報であって、真偽は確かめようもない。

結局、かつての東西冷戦の時代のベトナムに、シリアはなっていたのだ。いままた、そのアレッポでの住民の扱いなどの「人道的な情報」を元に、情報戦が始まっている。「非道なのはあっちだ」という情報戦である。つまり、情報戦は「世界」が戦場であって、その中でいかに多くの人心をつかめるか、という「目に見えない陣取り合戦」が始まっているのだな、と思うわけですよ。マスコミもネットのニュースも、要するにその道具でしかないんですよね。悲しく、かつ残念で悔しいことに、ネットやニュースで見る悲惨な子供たちの姿でさえ、そういう「情報戦」の「武器の一部」なんですよね。こういうときは。

そういう意味では最近話題のDeNAのキュレーションメディアの問題みたいに、ネット広告産業とやっていることはそう変わらない。なにせ私を含めた「普通の人たち」は、現地で戦闘しているのかしていないのかの真偽さえ、現地に実際に出向いて確かめる以外は、メディアを通してしか知ることはできないから、メディアが虚偽の情報を流せば、「そういうものなのか」と言うしかないわけなのだから。本当のところ、「戦闘をしている写真や動画」さえも本物の現地の映像であるかどうか、ぼくらは疑ってかからないといけない、ってのが今のぼくを含めた「一般人」のいるところなんだな。

ベトナム戦争が米国の敗北で終わったとき、米国のジャーナリスト、デイビッド・ハルバースタムが「ザ・ベスト・アンド・ザ・ブライテスト(The best and the brightest – 選ばれた最も聡明な人たち)」というルポルタージュを書き、それが世界的なベストセラーになった。この本は「なぜ最も頭が良いと言われた人たちが集まったのに、ベトナム戦争に敗北したのか」ということを真正面から扱ったルポルタージュで、多くのインタビューと物語で構成されており、日本でもサイマル出版会の翻訳で日本語訳がある。しかし、まぁ、なんというか、皮肉なタイトルの本ですこと。

今回のシリアはベトナム戦争の現代版と言ってもいいだろうな、と、私は思っているが、ベトナム戦争当時と今が違うのは、かつては第2次大戦を引きずった「領土拡張の戦争の延長」であって、今回は「知の領土拡張の戦争」であった(今もそうだが)、ということ。そして、なによりも「武器」としてマスコミのみならずインターネットなどの新しいメディアが加わったこと、などじゃないかとぼくは思っている。

「情報戦争」であるという側面から見れば、まだシリアでの戦闘は終わっていない(いや、始まったばかりかも?)、という見方もできるだろう。今後はどのようにこの「情報戦争」が推移していくのか?ハッキング、サイバーセキュリティなどもからめて、多くの「バーチャル戦闘」がこれから世界で始まる予感がするのだ。いや、実際には戦闘中からそれは始まっていた。

いま、私達は「情報戦争」の第三次世界大戦の中にいる。それゆえに「セキュリティ」の必要は、いよいよ人間社会に現実のものとなってやってきた。しかも、現実の武器もITなくしては考えられない武器ばかりだ。これからはITを制するものが、この世界戦争に勝利することだろう。

第三次世界大戦。それは情報戦でありサイバー戦である。

 


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