USB充電器の記事はいい加減なものが多い

Shinjuku NS building

ネットの情報にはいい加減なものや、思い入れがありすぎて、結果として不正確になってしまうものなど、様々な「トンデモ記事」を見ることが多くなった。さすがに、「まとめサイト」の酷さにはあきれていたが、この記事もさらにひどい記事に仕上がっている。まず、電気屋として驚いたのが、「4つのポートのどこに接続しても、1700mA」とある記述。見れば、充電器の容量は合計40W。ということは、4ポートあるものの、合計で取り出せる電流は8A。1700mAx4=6.8Aで、余裕で4ポートとも取り出せるのは、まぁ、当たり前といえば当たり前のことだ。しかしながら、タブレットなどに必要な電流容量はだいたい2.2A(最大)だから、これを4つつけると、8.8Aとなって、この充電器の容量をオーバーしてしまう。3つまではなんとかいける。

また、測定中の充電器本体の温度測定なども欠かせない。充電で家を火事にするわけにもいかないし、という測定などもしておくべきだっただろう、と思うのだが。

しかし、この記事には「測定しました」とか書いてあるのに、測定結果の図も表もない。アマチュアの同種のブログサイトでさえ、測定結果をちゃんと図とか表にして証拠をきちんと見せているのに、この記事にはそういうものは一切ない。

また、充電器の急速充電のやり方とかにはいろいろあって、特にAndroidの場合の急速充電は、USBの接続にも違いがあるんだが、そういう知識はこの記事を書いた人には一切無いみたいだ。容量だけでいろいろな判断をしているのは、なんかいただけないなぁ、というものがどうしても残る。

USBの多ポート充電器は、まずは容量を見るのは当たり前なのだが、最近は5Vだけでなく、ちょっと電圧の高い5.2Vなどというものもあって、なかなかおもしろい。この前買ったASUSのスマートフォンの充電器が5.2Vが出力の定格で、実際に調べて見ると、たしかにその電圧が出ている。だからといって、充電が速くなる、なんてことはあまりない。USB充電器とは充電器ではなく、あくまで5Vの定電圧電源装置であって、実際の充電回路はスマホやタブレットの中にあるからだ。

あと、充電器の性能を左右するものには、ケーブルそのものの質や長さ、そしてそれ以上に、USBのコネクタのところでの接触抵抗などがある。そこまでちゃんと測定した記事はほとんど見ない。この種のライターの質の低下がわかる。

実際、こういった電源の測定だけでも簡単なものではなく、いろいろ測定器を用意し、まともな測定を行うには、けっこうお金も時間もかかる。USBのソケットだけでも数種類用意するなどの気配りも重要だし、何度か抜き刺ししているうちに、接触抵抗が変わることもあって、被見物の充電器も1種類のものを1つだけ用意して測定、というわけにもいかない。この手の原稿料の馬鹿安いお手軽サイトには、正直なところ、「暮らしの手帳」のようなきめ細かな測定はまず無理だろう。

 


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