「中国すごいぞ論」と「一帯一路」

半年ほど前には日本のネットでは「韓国・中国なにするものぞ」なんていう、勇ましい感じの論説がネットにいくつもあったが、今は野口先生までが「中国すごいぞ論」に鞍替えしている。ちょっと考えればわかるが、まず「ベース」が違う。「ベース」とは人口だ。大陸中国の人口は13億人、日本は1.2億人。米国は2.5億人。ね?米国もびっくりなこの数。韓国は0.5億人で台湾は0.23億人。当然だけれども、この人口だけ見ても、「勝ち目はない」感じがどうしてもする。ハイテク云々を言う前に、まずここですよ。

大陸中国の政府はこの13億人の「国家」と称している塊を維持しようと必死だが、実際のところ、あちこちでほころびが目立ちはじめてはいる。ほころびがあったって、それにしてもベースが多すぎだ。いや、日本に比べて、ですけれどね。そうなると、その大陸中国の政府は「一帯一路構想やります」といえば、米国だって「私も加えてくだせぇ」ってことになるから、日本だってそこに追随していかざるをえない。実際、安倍首相は「一帯一路に加わります」って言わざるを得なかった。別に自然な流れなんだろうなぁ,それにいまさら反抗してもしょうがないよなぁ、儲かりゃいいけどね、という経済界のつぶやきも聞こえる、春の嵐の東京なんですが、要するにそういうことですね。

「ITとか半導体とかハイテクは日本が一番」なんて思っていたら、いつのまにか追い越されてました、っていうように一般人は見えるよね。でも、ぼくらみたいに現場でそういう仕事をしてきた人間が見ている現実は、数年前からそうだったわけです。いま、ドコモとかauとかSoftbankの店頭で買えるスマートフォンなんて、日本メーカー製はほとんどないでしょ。その日本メーカー製のものやiPhoneとかって裏返すと「MADE IN CHINA」って書いてあるよね。韓国サムスンのスマートフォンも日本で売れてるけど、これも裏返すと「MADE IN CHINA」ですから。まぁ、そこまで細かく見ている人はほとんどいない、ってことだけどね。

ぼくらのそういうスマートフォンなんかを作る業界では、数年前から中国製電子部品、ってけっこうすごいのがあって、それを使おうと思って、スペックをネットで調べると、中国語(北京語)マニュアルだけ。日本語も英語もない、ってのがけっこうあるんですよ。IT業界のハードウエアに関わっていないと知らないでしょうけどね。

ついてに言えば、金融とかでも、今一番給料高いのはシンガポールで、東京じゃない。日本人がシンガポールとか香港行くと「物価が高くて。。。」って必ずつぶやいちゃう。で、それらの経済を支えているのが「華人」。つまり中国系の人材。もっとも、華人でも金持ちもいればそうじゃない人もいっぱいいるんだけどね。シンガポールや香港の金融街で働くには、英語、北京語、現地語のトライリンガルが当たり前。いまさら「ウチの子は三才から英会話に通わせていますのよ、ホッ、ホッ、ホッ」みたいな、恵比寿ガーデンプレイスの安コーヒー屋チェーンで子供に英語で話す、なんていうバイリン親子なんてのは、もうレベル低いほうなんですね。給料高い仕事にはつけないんだよね。

「あのね、あなたね、ここは英語ではLの発音でしょ?あんたのはRなの。これじゃダメ!」

なんて、ぬいぐるみ抱えてる小さな女の子に思わず日本語で怒っちゃう、三越で買った高そうな薄いピンクのカーディガン羽織って3m隣のこちらまで化粧の匂いさせてるそこのお母さん、おカネ持ってるなら、いまから父ちゃん東京に単身赴任で置いて、シンガポールで子供育てたらええですよ、なんて言っちゃう。いや、言わないですけど。コーヒー冷めるとワッフル美味しくないよ、早く飲みなよ、とか隣でイライラして聞いてたりしますが。

要するに、今は地域とか国で言うとそういう感じになるんだけど、世界は国や地域で固まってるところもあるけど、そうじゃないところも多いわけですよ。地域としては「都市部のお金が回っているところ」がいいんじゃないの?でも、そこで働くのは大変だよ、ってことね。「日本人だから」ってのは通用しないから、実力次第。実力があれば、どこの地域でもなんとかなる。なによりも企業がグローバル化しているからね。

とまぁ、話はずれたが、日本沈没、じゃなくて、国家政府沈没、多国籍企業浮上、って時代なんですね。だから、国家がそういう多国籍企業の世界で生き残るために、企業に様々な優遇税制とかちらつかせて、なんとか「誘致」しようとしてるわけです。つまりお金持ちのお客様は多国籍企業。お金のない揉み手の商人が国家政府。そういう時代なんだよね。

 


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