「災害お助け情報」はあてになるか?

西日本の台風や異常気象による水害、北海道の地震など、多くの災害が日本を襲っている。実際のところ、世界的な目で眺めると、日本だけではなく、昨今は多くの地域で自然災害が多い。米国・カリフォルニアの過去最大になった山火事や、ハワイの火山の噴火などもそうだ。

こういった、災害時、人々が緊急避難した体育館などでのサバイバル術などが、あちこちで取り上げられている。たとえば、「単一乾電池や単二乾電池がないとき、単三乾電池で置き換える方法」などだ。しかしながら、現在秋葉原を歩いても、単一乾電池とか単二乾電池がなかなか手に入らない。使われている機器が少ないのだ。家庭でいえば、ガスコンロの着火用の電池などは単一乾電池などが使われているが、かなり減った。ほとんどの機器は「単三乾電池、あるいは単4乾電池」になってきているので、むしろ「単三乾電池が無いときに、単4乾電池で置き換える方法」のほうが知りたい。が、そういう情報はほとんどない。

一見、便利なように見えるが、実際の場面ではまるで役にたたない知識なのだ。

他にも「スマホの電池を長持ちさせる方法」なんかも、災害時のみならず、けっこう出回っている情報だ。しかし、スマホの電池を長持ちさせる方法はズバリ「画面表示の時間をできるだけ短くすること」に尽きる。というのは、スマホの電力消費のうち、一番大きいのがディスプレイの表示にかかる電力だからだ。アプリがどうの通信がどうの、というのは、実はそんなに電力をセーブすることにはらならない。

また「前の3.11の震災のときは、電話は黒電話が通じやすい」という「伝説」もある。実際、そのときはそうだったろうが、現状はそうでもない。その昔(といっても数年以上前)、電話網に接続されている電話機で必要な電気は、電話線を通して供給されていた。そのため、停電時などでも電話局が生きていれば、電話は通じた。しかし、現代の電話は目の前にある受話器が黒電話であっても、それの電力供給などは、会社や組織などの小型の交換器(電話局とは光ファイバーなどでデジタル信号でつながれている – 当然のことながら光ファイバーで電力は供給できない)を経由していることが多く、電力は電話局から供給されていないから、停電とともに、電話は使えなくなる。また、電話網自身も既にIP化(簡単に、なおかつ大雑把に言えばインターネット化)が進んでいて、この電話網のどこかがやられたら、電話は通じなくなる。

5年も時間がたつと、目の前のものは変わらなくても、背後にある複雑で巨大なインフラは全く違う技術に置き換わっており、動作の原理も変わる。であれば、数年前の昔の情報は役に立たなくなるのは、当たり前だ。しかし、私達専門家はそのことを知っているが、多くの人は専門家ではないから、そのことを知らない。数年前の「教訓」がそのまま今も生きていると思っている。

時間とともに、あらゆるものが猛スピードで変わっていくのが現代なのだ。自分で勉強しない限りは、あなたの知らないところで、それは変化している。

 


 

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください