進む「量子化」

米国Engadgetのサイトでこのような記事がある。昨年(2018年)の12月の記事だが、日本では注目している人はそんなに多くなかったようだ。一方、2019年のCES(Consumer Electronics Show)では、既に企業の最先端技術関係の会議などでは、一部で「5G」の次の「6G」が語られており、ある企業の講演ではそれは「量子通信になるだろう」という予測も語られている。IBM社は量子コンピュータのインターネット上での公開を行い、2016年には既に通常の無線通信で「量子暗号化」されたデータが中国の通信衛星で実験が始まった。次の時代は既に始まっており、それは現在のITでは想像もつかない「量子(Quantum)」の時代になるのは、確実な勢いである。CESに行って、この事に気が付かなかった人は「なにを見て来たんだ?」ということになるだろう。

量子コンピュータの計算速度は、現在のスーパーコンピュータと言われるコンピュータの約1億倍と言われている。途方もない数字、という感じしか覚えない方も多いと思うが、このコンピューティングパワーの与える影響は非常に大きい。たとえば、現在の「暗号化技術」があることによって、私達は銀行のATMから安心してお金を引き出せるし、クレジットカードも仮想通貨も安心して使えるわけだが、これは「暗号を解くには、スーパーコンピュータで100年かかる」ということがあるからだ。しかし、量子コンピュータの計算速度では、この100年が1分になる。であれば、現在の暗号化の方法では全く役にたたない、ということになる。しかし、希望はある。暗号も量子技術を使う、という選択である。つまり量子技術で作られた暗号は現代の暗号解読計算アルゴリズムでは解けないのだ。そう。ここも「量子」の分野になる。

そして、無線通信も電波ではなく、量子通信で行われることに将来なるという発表もCESの一部であった。であれば、将来は、量子化コンピュータや量子通信、量子暗号化で、量子携帯電話(Quantum Cell Phone – QCP)が当たり前に使われる世の中が来る、と予測されている。であれば、世界のあらゆるデジタル世界は変わっていくことになるだろう。そうであるから、米国の最先端のハイテク技術への投資はこれから量子に向かう。今回の米国政府の量子技術への投資のアナウンスはこの「技術の革命」に端を発している。

電気通信の時代から、光を通り越して、量子の時代へ。このトレンドが世界をどう変えていくか?これからが楽しみである。



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