Chiang Mai(チェンマイ)の可能性を探る

数日ではあったが、私用などでタイ・チェンマイを訪れた。

タイ・チェンマイの街はアジアでは成長地域に入る可能性がある。古い形の巨大工業団地は廃れているが、タイ人は全体的に「よく働くひとではない」ので、工場労働者としてはやはり問題が出てくる。だから、工業がだめになったのだ、という言い方はできるだろうが、今後のことを考えると、そうとも言えない。

昨今のICT化された「スマート工場」では「工場労働」はロボットが行う。つまり、人員の勤怠と業績は関係なくなる将来が、ごく近くにやってくる。そうなると、「勤勉な労働力」はロボットやAIになるから、いらなくなる。であれば、重要な「人材」は管理系のホワイトカラーと、AIやロボットのシステムを作る仕事である。

私は日本で、2000年より前に「この広大な工場では右から原料を入れれば、左から製品が出てきます。働いている人は3人で、ここで全世界の需要の何割かが作れます」という工場を見たことがある。それは既に視野に入っている。「できる」のだ。

しかし、そういう「工場」がなぜ、当時、世界に広まらなかったか?それは、そういう「スマート工場」を作るコストが高すぎたので、一部の資金が潤沢な企業しか、それを作ることができなかったからだ。いま、ICTのコストは安くなり、「ロボットのような人間」を使うよりも「ロボットそのもの」のほうがコストがかからない時代になりつつある。

古い時代の工場動労はだんだんなくなっていく。これからは状況が変わり、「スマート工場」の開発も稼働も、低コストで実現でき、結果としてそれは人件費より安くなってきた。

つまり、工場労働者で賑わう工業都市ではなく、知的な労働者で賑わう、新たな形の工業都市として、そのモデルケースになる可能性がこの街にはある。そして、それができるのは、今しかチャンスはない。

ICTの低コスト化によって、工場労働者がロボットやAIに置き換わる「スマート工場化」では、工場の開発と維持のコストは、土地代や輸送費、原材料などが主になる。生産に占める工場労働者の人員コストは割合として非常に少なくなる。

タイのバンコクは首都であり、地域のコントロールセンターの役目を果たす。チェンマイは「スマート工業都市」になると、土地代の安さと、他地域からのアクセスの容易さ、知的な仕事をこなす人員のいやすさ、基本的に資本主義なので、お金の流通の容易さ、国という地域の政府が、「王国」であることによって、混乱を抑えきれる権力がある、という様々な条件が、他地域にはないメリットを持っていると言えるのではないか?

この時代の製造業の最大の「キー」は「スマート工場」である。IoTやAIの低コスト化で、それが現実になりつつある。そして、それが、それ以前の工場とは違う、知的作業人員を必要とし、それらの人々が業務に支障のない環境を欲する。そういう時代の変化が来ている。



このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください