「報道」はどう変わるだろう?

ぼくは「報道写真」をやっていたことがあったのだが、報道写真では、ブレていようがボケていようが、とにかく世の中に出すスピードが報道の価値を決める。そういう視点で言うと、スマホのカメラの有用性は言うまでもない。当然、インターネットやSNSなどがベースにあってのことだ。撮影したその場でアップして公開。そうなると、どこの報道機関でも、そのスピードにはかなわない。写真を吟味するヒマも、写真を公開するかどうか問い合わせるヒマもない。数秒で終わりだ。

報道では、細かい解説を必要とするようなものは以外と少ない。たとえば「XX大学のXX先生のXXの会場での写真」だけで、その写真を見る人には、情報として十分なのだ。なぜ、その人がそこにいて、業績はなんで。。。それは、その報道を見た人が、必要であれば、ネットで一瞬にして調べられるから、まぁ、どうでもいい、という範疇の情報になる。なにせ、報道の情報を読む人は、その先生の関係者であることは少ない。忙しいのだから、ちょっとわかればいいのだ。であれば、報道は「写真(ビジュアル)」「スピード」が全てである。リアルタイムでなければ、報道の意味は100%とは言わないまでも90%以上はない。マスの情報の消費とは、要するにそういうものである。送り出し側がいくら丁寧に作ったところで、読む側は一瞬しか読まず、評価もそれなり。であれば、送り出し側でコストを掛ける必要も、本当はない。ただし、世の中の経済が豊かであった時代には、そういう「無駄」も許された、というだけのことだ。

今や、BBCなどの大手メディアでも、現場の記者はスマホで画像をアップしスマホで記事を書き、それで終わり、という時代だ。報道である以上、それで十分なのだ。また、「報道機関」の意味もなくなってきた。SNSでアップすれば、会員は当たり前に、それ以外の人もすぐにその情報にリーチできる。解説の記事部分を必要としている人も非常に少ない。必要なのは、目の前で起きていることがその場で多くの人に伝わることだ。

そこで、私が普段やっている「報道」でも、iPhone7plusだけで写真を撮り、すぐにFacebookにアップする、という方法に切り替えた。前は一眼のデジカメを持ってきていたのだが、もう意味はなくなった、とぼくは判断した。デジタル技術は報道を劇的に変えた。今まだ変わっていないところでも、すぐに変わっていくだろう。この流れについていくことができなければ、報道写真はもうできない。報道という事業が権威を持った時代も終わった。

いま、ぼくがデジカメを持って写真を撮るのは、自分の「芸術」をするためであって、それ以外ではない。「報道」であれば、迷わずスマホカメラで行く。いや、自分のでなくてもいい。そこにいる誰かのほうが、スマホを構えて写真を撮るスピードが速い、ってことだってあるだろう。

そして、「初報」こそが報道の命であって、後続の解説は、90%読まれない。意味がほとんどなくなった。新聞でも、よほど暇な人でなれば、ほとんどの記事はキャプションを読んで、写真を見て終わりだろう。興味がありそうなものだけ、記事の中身を読む。私たちが見るレガシーメディアの報道というのは、読む側にとっては、多くの無駄を提供されている、と言っていい。「私は鉄道に興味があるから鉄道の報道だけを読みたい」「鉄道というと経済も関係あるから、経済の記事も読みたい」「それ以外のものは必要ない」。それがユーザーのニーズだ。そこから「必要ないものにはおカネを払わない」まではたった一歩の距離しかないのが、現代の「デジタル双方向」の時代だ。

新時代の「報道」とは、つまり、そういうものではないか?であれば、報道とは「マスメディア」がなくなり中小の「専門メディア」だけがあって、それを読む側がチョイスする、というやり方でないと、やがて採算があわなくなってくるだろう。

既に子どもたちは、テレビを見ずにYouTubeで好きなものだけを見る時代だ。目の前に「報道」という事業が変わる、次の時代の扉がかすかに開きはじめているのだろう。

 


スマホの評価BLOGや記事などがアテにならない理由

最近は、スマホなどのハイテク商品のみならず、あらゆる商品をまずは検索で調べて、評価が良ければ買う、なんていう消費行動が当たり前になってきた。しかし、スマホのようなものを実際に買ってみたら、レビュー記事なんかと違う、ってことはけっこう起きる。これはレビューしている記者とかブロガーがいい加減なのではなく、メーカーがレビュー記事を見て、特に発表などもせずに、少々スペックを変更したり、改良したり、ということを後でする場合があるからなんだな。

こういうことはけっこうよくある話で、メーカーでも商品の評判には敏感だったりする。また、細部の部品なども、作っている最中に調達ができなかったりして、違うものを使う、ってこともある。結局、ブロガーなんかの記事でよくある「ファーストインプレション」なんて記事があまりあてにできない、なんてこともけっこうあるのだ。

しょせん、ブロガーなどの「使う人」は素人。対して、「作る人」はその筋のプロである。同じ製品でも、ロットや生産地が変わると、中身も変えていかざるを得ないのだ。

 


UPQの問題はそのまま今後のファブレス「スタートアップ」の問題

若手のスタートアップ企業の雄と思われていた「UPQ」で「ディスプレイのスペック誤記の対応」「スマホの電池の爆発」という問題が立て続けに起きて、ニュースを賑わせている

【誤記対応問題】
会社としての、プロダクトのクレームに対する処理の問題、誤記の問題は、会社規模としてしょうがないところもあるが、日本社会、特にネットではかなり大事として捉えられた。「今までの日本企業に比べて劣っている」という印象だけが残っている、残念な対応ではあったが、今では欧米やアジアの企業も、こんなものではある。しかも、問題の発生も対応も人的なもので、製品そのものというよりも、会社の体制の問題である。逆に言えば、人的な対応を工夫すれば、これから改善されることだろう、と読むこともできる。これは同社のスマートフォンの技適問題にも言える。

【バッテリー爆発の問題】
発表された記事を良く読むと、その「爆発した」スマートフォンが発表・発売されたのは、2015年とのことだから、既に発売から2年前後の経過時間がある。スマートフォンのバッテリーはその充電頻度にもよるが、毎日充電と放電を繰り返していると、だいたい2年で性能が目立って劣化する。通常の現代のスマートフォンユーザーであれば、2年もたてば機種変更で、電池ではなく、本体ごと交換の時期にもなる。通常は本体ごと交換だろう。しかし、電池を入れ替えれば長く使えるものでもあるので、2015年発売の機種ということであれば、そろそろ電池を入れ替えて使う時期でもある。劣化した電池を使うと、充電時間も長いわりに、充電がなかなか終わらない、ということが起き始める。このとき、充電と放電を司るスマートフォン内にある電気回路は、電池の劣化したことを察知して、爆発のなどの事故が起きないように、自動的に充電のやり方を変えるのが普通だが、充電の電気回路が簡易なもので、電池の劣化を察知できないものであった場合は、爆発などの事故に至ることがある。今回の事故は、要するにそういうことではないか?であれば、電池の問題ではなく、充放電回路の問題、ということになる。

【スタートアップ企業の問題】
UPQは工場を持たない「ファブレス」のスタートアップの企業である。製造業というカテゴリーの企業でありながら、実質は「商社」のようなもので、仕入れと販売の価格の差は「ブランド代」ということになる。製造業の面倒なところを知る企業でもないし、製造業の歴史はもちろんない。従って、外注に製造を委託するときに「2年後のバッテリー劣化では製品は大丈夫でしょうね?」という基本的な質問も、UPQから製造業者にはなかったはずだし、それが企業存続に重要な問題である、という認識もなかったはずだ。であれば、こういう問題は起きるべくして起きた問題である、と言えるのではないだろうか?今は製品開発から量産、梱包、輸入などなど、みな製造業者が頼んでお金を出せば短期間でやってくれる。しかし、その製品は客は長期で使うものばかりだ。ファブレス企業といえども、製品開発や製造の経験がないと、後に起こるであろう大きな問題が小さなもの、あるいは見えないもののうちに対処する、ということができない。経験は重要なのだ。

【日本の市場は「高品質」が当たり前】
翻って、消費者を見てみよう。日本の消費者は安いものでも「高品質」に慣れている。まさか電池の劣化で電池が爆発する、なんてことは思いもよらない。日本以外の市場では安いものは低品質であり、高いものは高品質である、ということは常識である。従って、低品質のものはトラブルが当たり前でもあり、トラブルが起きたときは製品交換で対応するのが当たり前だ。今の日本の消費者は「安かろう、悪かろう」を知らないのだ。こういう市場にスマートフォンのような労働集約型のしごとでできた製品を投入するときは、消費者の抱く製品イメージと中身がもともと、かなり乖離している、ということを念頭に置いて、サービス体制などを作る必要がある。

UPQという会社は立ち直れるだろうか?それは現時点では全くわからない。しかし、もし立ち直れたとしたら、こういう問題を1つ1つ経験として積み上げ、成長していってもらいたいものだ、と思う。


旅行者の海外でのスマホの通信はこうしよう

【通信事情は数ヶ月で変わる】
モバイルの通信環境もさまざま、そして時とともに、サービス内容も変わっていくものだが、この分野は特に短期間で変わることが多い。そのため、ネットに掲載されている情報でも昨年くらいどころか数ヶ月前の情報は既に違う、ということも多く、「情報の賞味期限」というものも考えて事前調査などでの検索にはげまなければならない。

【スマホの「通信」には2種類ある】
その前に、モバイルの通信環境といっても、大まかに分けて1つのスマホには2種類の通信が備わっていることを知っておく必要がある。1つは通話系で、この通話系で簡単なデータ通信もできる。通話系の通信は「SMS(Short Message Service)」がある。もう1つはIP通信系で、こちらはデータ通信専用だが、データ通信を使った通話というものもできる。「050plus」「楽天でんわ」などのいわゆる「IP電話」は、このIP通信系を使って通話をする。そして、「IP通信系」では現在のスマホなどでは「Wi-Fi」と「LTE(4G)/3G/2G」という2系統の通信を使うことができる。同時に設定することもできる。

【SIMカードが関わる通信とそうでない通信】
そして、よく聞く「SIMカード」は、このうち「通話系」と「LTE(4G)/3G/2G」の通信のために必要だ。Wi-Fiの通信だけなら、SIMカードは必要ない。大きく分類してみると、以下のようになる。

(1)通話系
 (1)-1 通話 (SIM必要)
 (1)-2 SMS (SIM必要)

(2)IP通信系
 (2)-1 Wi-Fi(SIM不必要)
 (2)-2 LTE/4G/3G/2G(SIM必要)

【アプリによって使う通信が違う】
Facebook、Facebookメッセンジャーやtwitterは基本的に(2)のIP通信系のみを使う。だから、Wi-Fiだけでも通信ができる。LINEも設定のときの認証には(1)の通話系を使うが、認証が終わった後であれば、(2)のIP通信系のみの通信を行う。スマホに最初からついている「メッセージ」は、(1)-2 SMSのことだから、土地の電話業者と契約しているSIMがないと通信ができない。

【土地によってメジャーな通信手段が違う】
韓国など日本以外の海外ではメジャーな通信手段は(1)であることが多いが、日本は(2)がメジャーな通信手段だ。その土地に長くいる場合は、どちらがメジャーかを知り、SIMのその土地での購入をするかどうかを検討すると良い。しかし、多くの場合、(1)、(2)ともに使える。数日から1週間くらいの旅行であれば、あまり気にする必要はない。

【台湾ではWi-Fiが多い】
先日、仕事半分で台湾に行った。台湾での目的は展示会を見ることだったが、通信環境はいろいろと考えさせられた。まず、台湾では様々な施設が小さなホテルに至るまで無料のWi-Fiを提供していることが多く、その場所その場所で、Wi-Fiが使える。日本で登録したLINEは台湾で使える。Wi-Fiがつながるのだから。FacebookやtwitterもWi-Fiでの接続で使えるから、ほとんど問題はない。

【Wi-Fi通信を始めるまえには設定が必要】
その土地で登録したSIMカードなしでもつながるWi-Fiは便利だが、使う前にその場所その場所で設定が必要である。各スマホの「設定」のアプリには、必ず「Wi-Fi」の設定項目があるので、それを使って「SSID」と「パスワード(パスフレーズ)」を設定する必要がある。実際につながったかどうかは、スマホの上のところの表示で確認する。

【Wi-Fiは施設内だけしか使えない。アウトドアにはSIMでの通信が必要】
Wi-Fiは海外旅行などでSIMの契約なしで、設定だけで使えるので非常に便利なのだが、街頭やアウトドアでは使えないところも多い。田舎に行くことがあるのであれば、その土地の通信業者と契約したSIMカードを用意すると良い。いや、「山奥の温泉でゆっくりしたいから、そんなときは通信できなくていいよ」という場合もあるだろうけれども。

【海外旅行用のWi-Fiルーター】
海外旅行用のWi-Fiルーターというものがあって「イモトのWi-Fi」という宣伝がすごいところから弱小のところまでたくさんある。毎日数百円で使えるが、これはスマホからWi-Fiで接続して、Wi-Fiルーターの中に入っているSIMで地元の通信業者とつなげるものだ。

【docomoの「海外1dayパケ」とかが最近出ている】
ところが、最近はこの「海外用Wi-Fiルーター」に対抗した、携帯電話会社自身の格安海外接続サービスができている。Wi-Fiルーターとほぼ同じ価格で海外での(2)のIP通信系の通信が(2)-2 Wi-Fiでできるようにするものだ。私は今回台湾に行ったときにこのサービスを使った。

【緊急時と平常時】
災害に遭遇したときなど、緊急時には電波の到達範囲が広い(1)通話系か、(2)-2 LTE/3G/2Gの通信ができることが望ましいが、通信料金が高い。だから、海外に出るときは(1)の通信手段を確保しておきつつ、普段は無料で使えることの多い(2)-1 Wi-Fiの通信を使うのが良いだろう。

【海外ローミングは非常時に使おう】
そこで、(1)通話系の通信を、海外の土地の通信業者と日本の通信業者が提携して、できるようにしてる仕組みが「ローミング」という仕組みだ。通信の価格は高いから普段は使わず、緊急時のみ使うものとして、「ローミング」の設定はしておくと良いだろう。もちろん、普段は使わないようにする必要がある。日本国内と同じような感覚で、電話番号さえ入れれば、普段の電話をする感覚で日本に電話ができる。

 【上級者は海外用SIMを使うのもいい】
なお、以上は初心者用の説明だ。上級者は、以下の海外通信用のSIMを使うのも良い。


スマホのカメラでプロの写真は撮れるか?

最近は、スマホのカメラが発達していて、ちょっとしたスナップでは非常に重宝する。また、画質も良くなってきている。メーカーの謳い文句では「これでデジタル一眼は必要ない」くらいに言っているところはいっぱいある。とは言うものの、実際に「現在の最高画質」と言われているスマホのカメラをいくつか使ってみてわかるのはやはりスマホのカメラは「アマチュアの道具」ということだ。アマチュアが卒業式の集合写真などを撮影するには、正直言って十分、ということは確かだ。しかし、写真による表現、というものを考えるとき、やはりスマホのカメラでは力不足であることはしょうがない現実だ。

また、プロでも「チェキ」などのインスタントカメラやトイカメラを使った作品を作ることもあるわけで、また、過去にはインスタントカメラを使った作品、というものをやったプロもいるわけだが、要するにそれはそれだけのことだ。普段は油絵を中心として描いている絵画家が、鉛筆で作品を描いてみました、というようなもので「アマチュアの道具を使うとプロはどう使うか」というところに、作品を見る楽しみが出て来る。スマホのカメラで撮った写真の写真展をプロがやるのは、「スマホがプロの道具として認められる程良くなった」ということではない。「ピアニストがおもちゃのピアノを使ってみました」という場面を想像するといい。そのピアニストは道具はなんであれ、プロの作品を作るのであって、子供と同じクォリティのものを作品とするわけではあるまい。また、子供が使うおもちゃのピアノを子供が使っても、子供の叩くピアノの音しか出ない。

スマホのカメラも、しょせんはそういう程度のものだ。ぼくも実際に使っているが、超広角、望遠などで作画し、「これは」という瞬間を捉え、色調を調整しトリミングをし、作品として仕上げる過程は、スマホで撮ろうが何百万円するプロの機材で撮ろうが同じようなものだ。そして出来上がったものはその人の作品となっているのであって、アマチュアの猫のスナップ写真とは一線を画するものになるのは、誰の目にも明らかだ。

私も写真を仕事にしていたときがあって、実際その現場というものはたくさんあるので、一言で「プロの写真現場」といっても多様なものがあるわけだが、プロの機材を持って写真を撮った経験があると、それがスマホであれなんであれ、プロの作品を撮ることができないこともない、ということだ。そしてあるとき、スマホのカメラのほうが面白いものが撮れると、ひらめいたときに、その道具を使う、というそれだけのことだ。

いくら良いカメラを揃えても、アマチュアは所詮アマチュアであって、プロではない。逆に、プロが撮るのでれば、それがチェキだろうがiPhoneだろうが、なんとかする。そういうものだ。高いお金を払って「写真をうまくなりたい」と写真教室に通ってプロの写真家の先生を前にしても、アマチュアはしょせんはアマチュアが撮れるものしか撮れない。逆に、プロはそれがどんな道具であろうと、なんとか作品に仕上げる。プロとはそういうものだ。

 


久々にキャリアのスマホを使ってみたが

p1140865久々に、日本の「3大キャリア」の1つに契約してみた。ここしばらくは海外での仕事も多く、2013年にキャリアの回線は解約し、MVNOのみでこの3年やっていたのだが、仕事の必要があってどうしても3大キャリアの1つの契約をしなければならなくなったのだ。しかし、やってみて驚いた。明らかに、3年前に比べて、複雑怪奇な迷路のような状況になっている。

p1140824とにかく、あれこれと設定するのに、3ペアのIDとパスワードを新規に作ったり、それがまたどこで使われるのか、全く追いつかない。スマートフォンが使えるようになるまで、半日以上の時間を使ってしまった。さらに、キャリアにおまけでついてくるWi-Fiの公衆無線LAN用のSSIDはなんと3個もある。当然、それぞれに使い方が違う。どれにどうやってつなげて良いものやら。初心者は迷うだろう。東京の都市部ではあちこちに無線LANの電波が飛び交い、この1つの端末で使える無料無線LANは数個は必ずある。どれを使ったらいいのか?

毎月のデータ通信料金は安くなったし、Wi-Fi接続についてもよく見れば行き届いているとは言えるのだが、とにかく複雑で、まともに使えるようになるまでに、かなりの時間を要する。分割払いでも金利がつかないなど、数々の特典があるにはある。スマホ本体ともに、タブレットは毎月500円加えれば契約できるという。これも契約したのだが、そうなると、違う電話番号の回線が2つ。それぞれにまた同じようなあれこれを設定する必要がある。アプリもよく使うものをダウンロードしようとしても、それに近い名前の違うものばかりが検索でヒットして、本当に使いたいアプリがなかなか見つからない。さらに混迷を深めている。

キャリア業者の様々なサービスが手厚い。値段も競争原理が働いて安い。毎月の通信料金はそりゃMVNOより高いですよ。数倍はする。しかし、サービスは多くて、それは歓迎すべきことだとは思うのだが、これらがごっちゃになって、このサービスではどのIDを使うのか?とか、そういうことに全く統一性が見えない。いや、統一性はあるのだが、それが複雑で理解に時間がかかる。高齢者はおそらくなにもわからないだろう。

さらに、今回は家電量販店の店員さんが「この電話番号になります」と言って渡してくれた電話番号と、実際の契約書に書いてある電話番号が違っていたので、あれこれとやり取りをするはめになった。店員さんもシステムの複雑さと、その内容がコロコロ変わるこの状況で、よくやっているとは思うのだが、この複雑さではミスも当然増えるのは当たり前だ。

加えて、カードだなんだと課金情報を課金もしないのに、書き込まないと動かないサービスもある。間違えた課金が生じた場合はどうなるのか?心もとない。財布に現金なんて入れるスペースも無いくらいポイントカードとかが増える。これ、なんとかなりませんかね?とか思う。管理不可能なくらい複雑になったシステム。そのシステムの中で、なにがなんだかわからないうちに、お金を取られている。現代の「伏魔殿」(なんでかな漢字変換で「ふしまでん」が出てこないんだ!)は、すぐそこにあった。

ぼくらはしらないうちに食い物にされている。「注文の多い料理店」に迷い込むのに、わざわざ森に行くことはない。目の前の街のスマートフォンのショップに行けばいい。

 


「危ないものには手を出さない」が、一番危ない

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togetterのまとめで学校でのスマホの話題があった。大変に面白いので、読むとはなしに読んでしまったのだが、ここには重要な問題が潜んでいるように思うのだ。

いまや子供にとってもインターネット環境は必須、という時代になった。小学校や中学校であれば、子供どうしのコミュニケーションに必要で、地域の緊急犯罪発生情報なども入ってくる。今はその情報の出入り口が、PCではなくて、スマートフォンになっている。親はまだ携帯電話、ということも多いだろう。高校生にもなれば、友人とのコミュニケーションはいっそう密になるばかりでなく、学校からのお知らせとか学校への連絡も、メールなどを使うのは当たり前になってきた。大学生に至っては、スマートフォンに加えてPCを使わないと、レポートなどの提出ができない。それは「必須」になったし、おそらくこの流れは変わることはないだろう。社会人になったらなったで、他人とのコミュニケーションの必要性はさらに増す。今はオンラインコミュニケーションが当たり前なので、コミュニケーションは組織内だけでは終わらないものになったからだ。

しかし、このtogetterの例のように「危ないものは使わせない」というだけの親の単純思考ではこの変化の時代に全く対応できない。既に始まっているのは「単純なバカは生きられない」社会なんだろうね。「ネットリテラシーは食事と同じ」というレベルでなければ生きられない世の中なんだな。FacebookアプリでXX診断、なんてのをやっているなんて、その危険性の認識がないバカですよ、なんて個人的には思っちゃうわけだが、これで、これまで何人FB友人を外してブロックしたことか。。。と、遠い目になってしまう。

今の時代は生活においてのスマートフォンを含めたオンラインコミュニケーションが当たり前の一部になっている。それは目に見えないから、見ただけではあるのかないのかわからないが、実際には「そこにある」ものだ。加えて、今の子どもたちの親の世代とは違い、子どもたちは空気を吸うようにオンラインコミュニケーションをするのである。

 こういった時代にネットを使うためのリテラシーは必須である。加えて、それは実社会と同じだし、実社会と密につながっているものだから、手放すわけにもいかないし、電源を切ることもできない。よく「公共交通機関では携帯電話の電源を切ってください」という張り紙があったものだが、最近はそういうものは見ない。電源を切ろうにも、一般の人には電源を切るやり方すらわからない、という時代である。代わりに「スマートフォンをやりすぎてホームから落ちないように」なんて言ってるくらいだ。
既に20年以上前の時代と人のコミュニケーションのやり方も道具も変わった。子どもたちはその新しい社会に適応しないと、社会のコミュニティに入っていけない。そういう時代の変化を親はわかっていない。このような混乱はしばらく続くだろう。子供が親と同じ体験をして大きくなる。それはありえない。そんなことは幻想となったのだ。時代の激し変化とはそういうものだ。親の体験は今の子供に役に立たない。それを押し付ければ混乱を招くだけだ。かといって放置はできないから、子どもたちが生きる新しい世界をじっくりと観察し、その世界を理解することが必要になる。頭が悪い人間、柔軟な思考ができない人間はそれができないから、こういう混乱を生む行動を起こし、現場を混乱させる。


あなたの知らない「充電器」の話

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家電量販店に行くと、それこそ星の数ほどの、スマートフォンやタブレット端末の充電器があって、買おうと思って手に取る前に、まずは店員さんを呼んで「どれがお勧めですか?」と持っているスマートフォンを見せる、というところから、買い物が始まる、ってことも多いだろう。しかし、本当にスマートフォンの充電器ってどういうものなんだろう?という、ある意味無駄な話をここではしょう。いや、あなたの家を火事にしないために、無駄ではない、と言っておこう。

  1. スマートフォンなどの「充電器」は「充電器」ではない
    まず、スマートフォンの中にある「電池」は当然のことだが「充電式」である。空になったら使い捨てる「乾電池」ではない。この充電式電池は、現在「リチウムイオン(Li-Ionと表記することがある)電池」という電池が使われているのがほとんどだが、この電池は爆発の危険もあるので、安全に充電するのはとても難しい。そこで、この「リチウムイオン電池専用の充電回路を作るためのIC(集積回路)」が使われている。それがスマートフォンの中に入っていて、それが電池の充電をしている。たとえば東芝ではこういうICをスマートフォンメーカー向けに売っている。このICは表にはあまり出てこないが、スマートフォン製品では大量に使われるため、ICメーカーの良い商売になっている。スマートフォンの中にはこのICが入っていて、過充電などで電池が爆発したりしないようにしている。つまり、家電量販店に売られている「スマートフォン用充電器」とは、この「充電回路」に電源を供給する「電源」でしかない。私たちは「電源装置」を、「充電器」と思って買って使っている。
  2. 充電器には「急速充電器(急速充電ケーブル)」と、そうでないものがある
    これはAndroidのスマートフォンやタブレットに言えることだが、実はスマートフォンの内部にある充電装置には「急速充電」ができる仕掛けが、もともと用意されている。急速充電には、当然大きな電流が必要になる。電源側にその巨大な急速充電できるパワー(容量)がありますよ、というのを、充電ケーブルを通して自動的にスマートフォンに伝えると、スマートフォンは自動的に急速充電に切り替える。この「急速充電できますよ」というマークのようなものは、ケーブルでも作れるし、電源でも作れる。当然、急速充電で充電すれば、充電時間が短くなる。
  3. 「急速充電ケーブル」をPCにつなげて充電してはいけない
    家電量販店には「急速充電ケーブル」を銘打ったものを売っている。急速充電の仕組みは前記の項目の通りではあるのだが、電源側に急速充電できるほどのパワー(容量)がないのに「急速充電ケーブル」を使ってスマートフォンに急速充電ができますよ、と「誤って」伝えると、スマートフォン側では、電源側に「もっと電気をよこせ」と、命令するのだが、その命令を受け入れられない小さな容量しかない電源だったら、電源がギブアップして火を吹いたり、ヒューズが飛んだりして、電源を壊す。場合によったら火事の危険もある。一般的に、PCのUSBポートは、0.5Aという電源容量しか持たないものが多い(USB2.0の場合。USB3.0では1Aが取れる)。だから、PCのUSBポートに急速充電ケーブルをつなげて、スマートフォンやタブレットを充電してはいけない。
  4. スマートフォンは1A、タブレットは2A、だが?
    一般的に言って、タブレットは電池の容量が大きく、充電には多くの電流パワー(最大で2Aを超えるものもある)が必要になる。また、スマートフォンも、最近は電池が前よりも少し大きくなっていて、最大で1Aを超える電源を必要とすることがある。しかし、充電池が全く空の状態では、当然、最大のパワーで充電しようとするから、前記のような電源容量が必要になるが、充電容量が100%に近い、終わりかけの頃になると、少ない電流で充電して、電池の爆発を防ぐ、ということを自動的にするので、より少ない充電の電流容量で良い。PCとスマートフォンやタブレットをつないでデータ通信をすることはよくあるが、それをしたいときは、できるだけ満充電にしたスマートフォンやタブレットをPCに接続すると安全である
  5. 「急速充電もしたい」「データ通信もしたい」
    家に帰って、スマートフォンの空になった電池を満充電にしたい。でも、中に入っている今日撮ってきた写真をPCで吸い上げてFacebookにはやく載せたい。というときがあるだろう。しかし「急速充電」と「データ通信」は、基本的には、同時にやってはいけない。PCを壊すことがある。家に戻ったら、慌てずにまず急速充電器にスマホやタブレットをつなげて、満充電に近くなるまで充電しよう。その後、スマートフォンやタブレットをPCに接続して、中の写真をPCに吸い上げよう。これを守らないと、PCを壊すことがある。

【不良ライターにご注意。家が火事になるかも?】
電気の知識がほとんど無いに等しい、スマートフォンとかタブレットなどの製品紹介ライターでは、こういった知識が全くないので、家を火事にしかねない、危うい充電方法を書いた記事があちこちに散見されていて、その通りにしたら、とても危険な状況にあることを覚えておこう。電源回路・充電回路は「アナログ電気回路」なんだが、現在の日本では、アナログ電気回路技術を持つ技術者が絶対的に不足している。電源・充電の回路も、外目には簡単に見えるかもしれないが、内部は非常に複雑になっており、ちゃんとアナログ電気回路の勉強をして、実際に製品を作ったりした人でないとわからないことも非常に増えているのに、日本には技術者がいない。

【電源はけっこう難しい技術】
特に電源の技術の不足は火事などの事故につながったり、充電式電池の爆発などの事故を引き起こす。最近はPCやスマートフォンの電池の爆発事故などは増えているし、よく報道もされているが、要するに今の電子機器製造メーカーには「アナログ電気回路」である「まともな電源の設計技術者」が非常に少ないので、こういうことが起きる。プログラミングの教育も結構だとは思うが、すべての人がプログラミングに向いている性格や能力を持っているわけでもあるまい。電源の技術者、電気回路の技術者もそれなりの数、必要だとは思うのだが。

【USB充電の新規格統一をしよう】
実は、USBでの充電(あるいはUSBポートでの電源供給)というのは「邪道」である。もともと、USBポートはデータの通信をするためのものだが、そこで少々の電源も取れるから、電力消費の少ない機器であれば、USBポートから電源を取ってもいいんじゃない?ということろから、USBポートでの電源供給が始まった。つまり、USBでの電源供給はもともと「おまけ」という程度のものだったのだ。それが、スマートフォンなどが普及して、USBポートでの充電が当たり前になってきた、という経緯がある。簡単にまとめると、「USBポートは充電用に作られていない」のだ。だから、「知識がない人が間違えて接続し事故になる危険がある」。つまり、これからは、USBポートで電源供給、充電は行わない、と決めて置く必要がある。そのためには、電源ソケットとデータ通信のソケットを別にして、違う形状にして間違えた接続をなくす、という必要がある。それが事故を減らす第一歩だ。


猛暑の中ではiPhoneは使ってはいけない?

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The Enoshima Sunset

東京は猛暑だ。今日の昼間、新橋駅のところの街頭の温度計は39度C。人間の体温より高く、人によっては、命の危険さえある気温だ。

ところで、この猛暑の中でスマートフォンは大丈夫なのか?まずは各社のスペックを見てみよう。日本で一番売れているスマートフォン、AppleのiPhoneの最新型である「iPhone SE」のスペックを見ると、「動作時環境温度:0°〜35°C 保管時(非動作時)温度:-20°〜45°C」と出ている。つまり、iPhoneSEは39度という外気温の中では、動作は保証されていない。壊れても保証外です、ということだ。

反対に、いま日本で売られている一般向けのスマートフォンで一番耐環境性に優れていると思われる「KYOCERA」の「TORQUE」を見てみよう。こちらは「耐環境性」をしっかりうたっているだけあって、非常に慎重な書き方になっている。スペックはこちらのページにある。この能書きによれば、本機は「MIL-STD-810G Method 516.7:Shock-Procedure IV」に準拠している、とあり、その表の下に、その説明が書いてある。温度の部分を引用すると「High Temperature(高温動作/高温保管)動作環境:50℃で連続3時間、保管環境:60℃で連続4時間の高温耐久試験、Low Temperature(低温動作/低温保管)動作環境:-21℃で連続3時間、保管環境:-30℃で連続4時間の低温耐久試験、」と書いてあり、最後に「本製品の有する性能は試験環境下での確認であり、実際の使用時全ての状況での動作を保証するものではありません。また、無破損・無故障を保証するものではありません。」とある。つまり「保証はしないが、50度Cで連続3時間は大丈夫だったよ」ということである。

つまり結論から言えば、外気温39度Cという環境下では、AppleのiPhoneは動作保証されていないが、KYOCERAのTORQUEは「3時間以上は動くと思うよ」ということになる。

スマートフォンだけでなく、タブレット、PCなども、だいたい動作保証をしている周囲の気温は35度Cまで、というものが多いようだ。ただ、最高保存温度以下ではあるから、電源を切って置いておくぶんには、保証される、ということになる。

私達のみならず、メーカーでも「最高動作保証温度」は、あまり重要視されていないが、最近の東京の35度をらくらく超える猛暑下では、そろそろちゃんと温度のことを考えなければならない。

 


電池が自分で交換できるスマホが必要だ、という個人的な理由

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一昔まえのスマホは電池を自分で取り出して交換することができた。今売っているスマホは、そういうことができないものが非常に多い。そういう意味では、私はASUSのスマホはけっこういい、と思っている。スペックは現代的なのに、電池が自分で工具なしで取り外せる機種がほとんどだ。最近のスマホは電池が自分で交換できないものが多すぎる。

電池が取り出せるとうれしい点は以下だ。

  1. 初期不良の電池は多い。交換はできるだけ早くしたい。だいたい、電池は初期不良が非常に多く、使い方や電池の品質のばらつきで、1年もすればとりかえなければならないことも多く出てくる。そのとき、電池交換さえすれば良いのに、ショップに本体を修理扱いで預けて、数日から数週間もスマホが使えない、という時期があるのはなんとも悔しい。
    電池交換のための修理の期間、代替え機を貸してもらうにしても、スマホのアプリをあれこれ入れていると、それを復活させるのは面倒だし、電池交換が終わって本体が帰ってきたときには、代替のものの中のデータの消去も非常に面倒だ。また、「修理上がり」になって帰ってきたときには「アプリのアップデートの嵐」で、しばらくスマホが使うに耐えない期間も生じる。スマートフォンにすると、音声での通信はほとんどなくなる。アプリ経由とかが多くなるので、こういう点はスマホのハードウエア設計時点からしっかり考慮して欲しいものだ。
  2. 電池トラブルがあったときにすぐに取り出せる。電池は、化学製品でばらつきも多いので、不良も多いし「電池が爆発した」という事故も世界中で増えている。電池を取り出すことができれば、電池が熱くなってきた、というときにさっと電池だけ取り出して、本体に膨らみ、爆発などのトラブルの被害を受けないようにすることができる。
  3. モバイルバッテリーのような野暮なものは持ち歩きたくない。やはり本体だけで持ち歩いて、長時間使いたい。電池がなくなってきたら、交換すればよい、というのは、モバイルバッテリーよりもスマートな方法だ、と、私は思う。

スマートフォンを使う側としては、電池の交換が自分でできる機種でないと、安心ができない、というのが個人的な感想だ。あくまで個人的な感想だけれども。だから、ぼくはいつも新しいスマホを買うときに、電池交換ができる機種かどうかを非常に気にしている。

ASUSという会社のスマートフォンはすごいな、と思うのは、そういうニーズがしっかり把握されている設計がされているところだ。電池交換ができるスマホの現行機種は現在は限られており、既に3大キャリアにはほとんどなく、MVNOではASUSが目立つ。