収束に向かう?仮想通貨流出騒ぎ

コインチェック社がセキュリティの甘さでハッカーに多額の仮想通貨流出を許した事件は、「無償で動く自宅警備員17年の在宅ハッカー」の活躍もあって、収束に向かっているんじゃないか?というニュースがあちこちを賑わせている

面白い話ではあるが、問題は多い。まず、無償でやったJK17さんは、無償であるがゆえに責任はなく、今後「飽きたからやーめた」などとなったときに、お金を出して継続してやってくれる保証はどこにもない。そういうもので多額のお金が動くとしたら、それこそ大きな問題になるだろう。次回似たような事件があったときに同じ対応をしてくれる保証はどこにもない。また、このような対応をする「ホワイトハッカー」が事件のあるときに、そこにいて、助けてくれる、という保証はどこにもない。ついでに言えば、このJK17さんの気が変わって、ホワイトハッカーではなく、ブラックハッカーになったりするかも知れない、という問題もないではない。

もう一つの問題としては、今回の犯人が利益目的でないところに目的をおいていた場合、これらのNEMを全て消去する、という行為に至る場合もある、ということだ。もしも犯人の目的が「仮想通貨全体の信頼破壊」にあり、利益ではなかった場合や、換金の難しさに音を上げて破壊の方に興味が移るとしたら、交通事故を起こすために自動車を運転するようなもので、危険きわまりない。人間というのは、理屈通りに合理的判断だけをするものではない、ということにも気を配っておくべきだろう。

もしも犯人の目的が「信用破壊」そのものにあるとしたら、その目的は半分以上達成されたと見て良く、そうであれば、後はこの厄介者のデータを破棄することもあり得るだろう。銀行強盗をした強盗が、お金には興味がなく、得たお札をみんな暖炉で燃やした、なんてことがあるかもしれないのだ。

基本的に仮想通貨というものが、こういった体制でしか支えられないものであるのであれば、やはり多くの人たちの信頼を失っていくのは、まぁ、しょうがないことではないのか?と思う。

仮想通貨には、もともと「信用」を守る仕組みが脆弱である、と言う欠点が、現時点ではある。技術が低いのをものともせず、とにかく「システムを早く構築して突っ走れば儲かる」という時期ではあるので、まぁ、この流れは理解はできる。しかし、技術的なものが破られる可能性はゼロではなく、そして、今回は稚拙な管理技術が表に出てきてしまい、大きな被害があった。コインチェック社のこのところの売上からすると、たいした額ではない、という話があるけれども、問題はそこではなく、仮想通貨全体の信用を失う、ということであるのだから、今が過ごせれば顧客が戻って手数料を今まで通り払ってくれる、ということであるかどうか?わからない、というところが大きな問題なのだ。

とは言うものの、世界的な流れとしては、国家政府の発行する通貨の信頼は先進国でも落ち始めており、仮想通貨が流通する社会に向かっている。ただ、それが完全にひっくり返る時期でもない、というのが本当のところだろう。