ITの業界の現場と「一般人」から見えるもの

どんな専門の業界でもそうなのだとは思うが、内部から見ている人間と、それを外から見ている人間では、その中間地点にある物事の見え方がまるで違う。どちらが悪い、どちらが良い、ということではないのだが、どちらが認識不足かというと、内側から見る人と、外側から見る人の認識が違うのは当たり前、やっぱり内部から見ていた人のほうが、中身は良く知っている、ということになる。

最近の世界のプログラム開発の主流はオープンソースに変わってきた。ちょっと古い人だと、その世界がどう言う世界かわかっていない。それなのに、新しい人はオープンソースで開発をする。このギャップも出てきた。オープンソースでモノを作る時代になれば「バグ消滅曲線」とかそういう従来の「基準」が役に立たなくなることは言うまでもない。

たとえば、ルーターのような製品、Google Homeのような製品は、内部はオープンソースの塊で、それをいかに使うか、という技術は非常に大切になる。まずはどこにどういうオープソース資源があるかを知らないと、見積もりさえできない。世界の最新のプログラミング事情を知らないと、全く役に立たない。IoTも今やオープソースの塊だから、やはりオープンソースでの開発をやったことがないと、全くできない。

ちなみにオープソースを「プログラミング技法」などと言っているあいだは、全くこの流れについていけないと思って良いだろう。オープソースは現在のハイテク技術の根幹を成す「ソフトウエア」の開発において、「技法」ではなく、それよりも遥かに重要な「思想・哲学」である。そして、それは実際に手にして触った者しかわからないものだ。しかし、これなくして、今日のITやIoT、人工知能システムなどは全く成立しない。IoTのプロダクト等を作るには、その思想を取り込んでいることが求められる。

この程度は作るほうの人間にとって必須の知識やスキルなんだが、ちょっと古いプログラミングしか知らない技術者が混じっていると、そこで、コミュニケーションがとれず、混乱する。数年以上前の知識しかない技術者や管理者はいるだけ開発の阻害要因であって、早く現場から消えてほしい、となる。プロジェクトの管理者の技術スキルは非常に重要で、プロジェクトの成否を分ける。正直なところ、プロジェクトマネージャレベルでさっさとこういう話ができないで「教えてくれ」なんてのは論外だ。それだけでプロジェクトの足を引っ張っている、ということになる。そして、それを自分ではたいてい気が付かないから、始末に悪い。

さらに、こういうプロダクトを作る会社の社長などでも、全く内容についていけない、という人も論外だ。プロジェクトの進捗や、うまくいかないときになにが足りないのか?などの見識が即座に持てないからだ。技術者としては、意味がない人と仕事をしてもプロジェクトは失敗するだけだし、得るものもない。日本流のマネジメントで、こういう世界は回っていくわけがない。それでも流行っているから、ということで、やろうとしているのが、日本の役所とか古い技術職だった人たちの塊だが、正直なところ、その全てが時代遅れになっている、と言って間違いはない。

現代のプログラム開発、IT/IoT製品開発は、明らかに国際的な開発スピードの競争であって、そこに、日本的なのんびりしたジェネラリストが入り込む余地は全くなくなっている。

いまは日本が一番ではない。技術もお金も日本は中国などの後についていっている、金魚のウンチみたいなものだ。日本企業のお家芸、なんて言われていた液晶ディスプレイ技術もそうだ。今や8Kは中国の2社が独占と言っても言い過ぎではない。

まずは現状を見据え、できるところから、できるだけ新しい世界のトップクラスのやり方を真似るところから始め直さないと、日本のITはやはり危うい、と言わざるを得ない。