スマートフォンの時代

もう20年以上前になるが、その時代はコンピュータでなにかする、というと、コンピュータの前に座る必要があった。モバイルのパーソナルコンピュータも「座れる場所」「電源」も必要だった。要するに、「コンピュータを使う場所は限られていた」ってことね。インターネットは普及を初めていたけれども「会社に戻ってメールします」の時代だったわけだ。

で、1999年末からdocomoが、移動体無線電話のデータ通信である「Dopa(Docomo Packet)」を元に、一般向けに「iモード」を始めて、「携帯電話」という「無線の電話」に、文字情報や絵の情報の通信ができる下地を作った。よく考えて見れば、これが「はじまり」だった。iモードって人間の歴史で初めて「人間が肌身離さず24時間電源を入れて持つコンピュータ」だったんだな。それまで、そういう考え方のものはなかった。ぼくはその頃のiモードの立ち上げの時期に開発の端っこのほうに関わらせていただいた。そして「おそらく、iモードのトラフィックは、Webよりもメールが多くなる」と予言したのだが、それは数年後にその通りになった。都内某所のPC9801の並ぶ「ポケベル」のシステムがその会議室に向かう廊下の途中の部屋で動いていたのを今も覚えている。

実際、メールのトラフィックはどんどん増えていって、Webでのトラフィックを上回ったのだが、最初の頃の携帯電話のメールでは、iモードの携帯電話でメールを受信できる文字数が限られていた。そのため、長いメールだと、後ろのほうが届かなかった。特にビジネスでのメールをすることが多い人にとって、それは不便だ、ということで、メール転送の仕組みを少々複雑にして、長いメールをiモードのメールで読めるように複数のメールに分割して読むことができるシステムを友人の助けも借りて、自宅のサーバーに作って動かした。そのとき、「夜遅く寝ているときにメールが来て起こされるのも辛いよなぁ」ということで、メールの転送時間制限などの仕組みも作って、総合的な「携帯メールお助けシステム」にした。かなり多くのユーザーが集まって、捌ききれなくなって、時々システムが止まったりすることもあって、使っている方には迷惑もかけました。すみません。という思い出も今は懐かしい思い出だ。

iモードはやがてiPhoneの出現によって、よりPCっぽくなった。そして、全てがインターネットに接続される時代が来た。今やインターネットが無い生活は考えられなくなった。今や、インターネットに接続されていないと、なにも動かない、という時代にもなった。

時代は変わって、今はiPhoneから始まるスマートフォンの時代だ。スマートフォンは「人間が24時間持って動かしている端末」の進化系だ。いま、次の変化をしっかりWatchしつつ、次の手を考えているところだ。次の「革命」は始まりつつあるのかもしれない、とだけ言っておこう。